2019年 7月 の投稿一覧

診断的評価で確かめるべき3つのこと『一人ひとりをいかす評価』 3章 診断的評価

一人ひとりをいかす教え方、そのための診断的評価ってなんだろう? これまで、レディネステストってやってきたけど、それも研究授業とか特別な授業のときぐらいだったなぁ。

そのときは、まだ既知をいかして、つなげながら学ぶよさを理解していなかったし。ここ数年は、プレアセスメントといったやり方で、オリジナルテストをつくってしまって、「事前に」何を知っているのか、何がまだわかっていないのか、単元前にテストをしてから進めたりもした。

「You、テスト、単元前にやっちゃいなよ!」のプレアセスメントという学習方法やいかに!?


今回は、このへんのことが、もう少し丁寧に理解できて、より一人ひとりに寄り添えるような学びとなっていくといいです。

 

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アセスメント AS インストラクションしてる? 『一人ひとりをいかす評価』2章 評価の概要

さて、今回は2章。「一人ひとりをいかす教え方評価の概要」をばばーんと解説しているところです。

評価の段階には、「診断的評価(事前)」「形成的評価(学習中)」「総括的評価(学習のまとめで)」があります。その種類としては、クラス全体に挙手をしたり、親指で理解チェックなどの「インフォーマルな評価」や、事前アンケートやレディネステストなどの「フォーマルな評価」があります。ふむふむと復習です。

アセスメント of インストラクション:指導した結果の評価(総括的評価)

アセスメント for インストラクション:指導のための評価(形成的評価)

アセスメント as インストラクション:指導としての評価(自己評価)

P35を参考に

勉強不足もあって学校ではほとんどきくことがなかった、この「アセスメント as 〜」の話がでてきました。以前、リエコ先輩から英語を教わっていたときに、課題テキストとして読んだことがありました。

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読むとは知識をつくる作業で、自分なりの解釈をつくること 『一人ひとりをいかす評価』1章 概要

『一人ひとりをいかす評価』を読み始めて、ようやくここで腑に落ちたことが。海外の実践翻訳書を読んでいてこれまでなんども混乱してきました。それは、単語の意味の使われ方にちがいがあるからです。日本の教育場面での使われている教育用語と、海外の教育場面で使われている教育用語、さらには、自分の教員経験からくる教育用語の意味のちがいからくる混乱でした。

例えば、「学習を促し支援する環境」と、「学習環境」はどうちがうのか? それともいっしょなのか? 「レディネス」と「学習履歴」って、同じことを単元前のテストか? はたまた学習中のことなのか?学習不足の自分には、いくつか重複しているような教育用語が連発してしまいます。そこに差分があることはわかっていましたが、自分なりにちゃんと解釈していかないと、どこか、こう宙にういたままの話でしかなく、自分の中に腹落ちしない感覚をずっともっていました。

そこで、「あ!ひらめいちゃった!」と、頭の中に、一休さんがおりてきました。まぁ、昨日ぼうず頭に借り上げたのも関係あるかもしれないけれども。自分のこれまでの理解とつなげながら、言葉を新たに自分の教育用語でまとめ直してみると、あぁしっくり。一人ひとりをいかす教え方は、下の5つの要素をシステムとして相互に関連しあいながら、組み立てていくことだとわかってきました。

  • ①学習を促し支援する環境 →自分の教育を支える「教育理念」
  • ②質のよいカリキュラム →明確な学習目標と夢中にするカリキュラム「目標と単元計画」
  • ③教えることと学ぶことにいかすための評価 →テストから学びの支援へ「形成的評価」
  • ④生徒の多様性に応じた教え方→一人ひとりをいかした学びの「個に応じた学び」
  • ⑤生徒を導き、学習の決まりごとを運営する→人とのつながりをいかす「学級経営」

どうでしょう?

 

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『ようこそ、一人ひとりをいかす教室づくり』10章 一人ひとりをいかす教室作りのリーダー

いよいよ最後の10章のまとめです。10章をあらためて読み直してみると、あら、びっくり。先の一年間のふりかえりとつながってきました。

この10章、作者の1人ひとりをいかす学校改革の経験と研究成果がまとめられています。小見出しを書き出してみるだけでも魅力的だと思いませんか?著者のこれまでの学校文化に新しく1人ひとりをいかす実践を取り入れてきた、その苦労というか、発見の軌跡です。

“・信念と目標を吟味せよ

・ビジョンを確立し共有せよ

・過重な負担を避けよ

・長い道のりにそなえよ

・上手にスタートせよ

・1人ひとりをいかす方法のモデルをつくれ

・方針と手順を検討せよ

・改革の複雑さに対応するため教員研修を計画せよ

・継続的に支援せよ

・プレッシャーを与えながらサポートを提供せよ

・1人ひとりをいかすことを専門職としての責任にリンクさせよ”

このリスト、「あぁ、なるほどね」と読み流してしまわないこと。それを自分に投げかけながら読みました。もしかしたら、新しく目を見張るような気づきや取り組みなんて、もうないのかもしれません。でもこれまで、知ったつもりで、よく分かっていなかったことなんて、ざらにあります。じっくりと考え、自分とむきあって、はじめて、自分の中で知識として構築されていくことなんでしょう。さらっと読んで、知った気でいた今まで浅かったな~と、頭をたれるのです。

 

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『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』9章 一人ひとりをいかす授業を可能にするクラス作り 

この章は学級で1人ひとりをいかす教室実践に取り組むための「小さくはじめるスモールステップ」がまとめられていました。なにか、新しい実践に取り組むときには、こういうガイドがあると、よけいなヤケドしなくてすみますね。この章にあるチェックリストは、案外ベテランの教師が無意識にやっていることが多くありそうです。ビギナー教師にとっては、このリストをふりかえるだけでも、クラスはぐっと落ち着くはずです。おすすめの章です。

さて、1人ひとりをいかす実践では、なによりもはじめてみる!「小さく」ってことが大事です。その一例を挙げてみると、1人ひとりをいかす教室では、それぞれの活動がそろっていません。だからこそ、集中できるように、また指示が通るように、余計なトラブルが起こらないように「静か」を基本とします。これはオランダで以前みてきたイエナプランの教室もそうでした。こういう「地固めの活動」があって、教師はあわてないで落ち着け、ばらばらなことに安心して教室に寄り添う人としていられるんだと思います。わちゃわちゃしていると、クラスが荒れているようにもみえて、余計心配してしまうものです。

 

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「ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ」8章 1人ひとりをいかすもっと多様な教え方

こういった本は事前に知識がないとわかりにくいのかな。読んでいてなかなか頭に入ってこない、というか、海外の実践例といのもあるのか、イメージが湧きづらい実践例でした。

これは実際にその授業を観てみないとその場に流れている空気感とか、それぞれの生徒がどう自分の学びにコミットしているのか、教師はカリキュラムとの照らし合わせながら本当にカンファランスをどこまで追求していくのか、見えてこないなぁと思いました。今のオイラの既有知識の限界っす。体力の限界っす。読書だけでは解決できないとこも分かってきました。

 

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『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』7章 一人ひとりをいかす多様な教え方

この7章は1人ひとりをいかす具体的な授業実践例が紹介されています。コーナー、課題リスト、複合プロジェクト、周回など。なんだかこれまで取り組んできた実践に近いものもたくさんある。

一方、読んだだけではイメージがわかない実践例もありました。これはぜひ、教室をのぞきにいきたいなぁ!ここ3年以内にチャレンジしてみよう。

 

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『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』6章 1人ひとりをいかすクラス作り

1人ひとりをいかす具体的な実践がみえてきました。

ふと思うと、2学期に取り組んでみた「わり算」の授業は、1人ひとりのスキルをいかす授業となっていたんだとわかりました。★今は、こういう授業はしないなぁ。計算習熟ドリル消化型の授業におつきあいになってしまいがちだからねぇ。

テキストをホップ(4問)、ステップ(8問)、ジャンプ(4問を自学ノートに)に分けて、まずは全体像をカバーできるようにホップを全て終わらせる。この単元では10コマを計画してました。

スキルの習熟に時間のかかる子もいるので、ホップだけは全員クリア。あとのステップ・ジャンプコースは各自の進度におまかせ。

 

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『ようこそ、1人ひとりをいかす教室へ』5章 よいカリキュラムとは

いよいよ、授業のカリキュラムへと。ちがいをいかすには、まずは「教師が」「明確に」その授業・単元(ユニット)のゴールを明確にしておかないといけません。

”“生徒が授業の結果としてどんな知識を得て、何を理解して何ができるようになるのかということについて教師が明確に分かっていなければ、教師が用意した学習活動は、それが魅力的であってもなくても、生徒が学ぼうとしている内容に内在している基本的な概念や原理を理解することにはきっと役立たないと思います。”

『ようこそ、1人ひとりをいかす教室へ』P79より”

これは、ほんとにその通りだと思います。これまでの自分の授業をふりかえってみても、特にワークショップ授業や探究学習におこりがちですが、なんとなく体験して、学習者はそれ「学習内容・事実・知識」といった浅い理解には詳しくなったけど、どんな概念やスキルといったより深い理解にとぼしいいことが。

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『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』4章 続・学習環境

いよいよ1人ひとりをいかす学習環境へ読み進めてきました。

“自分が何者であるか、人生の意味とは何か、楽しみや痛みや勝利や志をどのように理解するのか、他者とどのように関わらなければならないのか、そして私たちはなぜここにいるのか、ということを明らかにしようと試みながら、私たちはいき、そして死ぬのです。美術、音楽、文学、数学、歴史、理科といった、私たちが学習する教科は、そうした人生における究極の問いに対して私たちが応えるための手助けをしてくれるレンズを提供してくれるのです。P65~66”

教科のもつイメージが一新されちゃいました。これまではどこか「教え手の都合で編纂されている悟りの書」のような悪役印象さえももっていました。けど、この一節を読んで、「人生を考えるレンズのようなもの」なんだと!

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