2023年 1月 の投稿一覧

いびつな5角形宝箱づくり

立方体や直方体だけだとちょっとツマラナイ。今度は、「数学者の時間」研究メンバーがもちゃんの先行実践を参考に、箱にフタがあるいびつな5角形宝箱づくりをしました(その設計図は岩崎書店『さんすうであそぼう』シリーズから)。

このいびつな5角形の宝箱づくりのおもしろいところは、説明をよみながら、自分で展開図を書いてつくるようになっています。しかも、分度器で精確に測れないと結果、辺の長さにズレがでてきてしまうしかけにもなっていて、より慎重な作業がもとめられる。そして、1ミリだけ大きくするフタの展開図はなかなか難しい。そして、箱とフタが反転してしまいどう解決するかも見物でした。結果、工作用紙の表裏を変えて箱とフタをつくる力業が。

子どもたちは2時間ぐらいかけて、「おい!どうしておまえズレるんだよ」「なんで〜!?なんで〜!?」などと、辺や面、そしてのりしろと対話しながらすすめていました。返答があるわけじゃないのにね。

完成した作品はそりゃーもういつまでも持ち歩きたくなる逸品です。

さて、いよいよ次回から一面展開図で算数数学をアートすることへ突入します。

つくって遊ぶ経験が根っこにあるから、知識がしみこむのでは

立方体から次は、直方体の紹介をしました。さまざまな多面体について触れ、2種類の直方体を知り、展開図をつくったり、面と辺の関係について調べたり。ここではじめてテキストをもとに4時間ぐらいかけて、基礎的な図形の定義や算数キーワードをおさえました。ここまで立方体展開図をつくりまくっているので、直方体はちょちょいのちょいなかんじ。自分なりにおもしろい展開図を考えようとしている子もいました。

潤沢につくって体験することが先に土台としてあるから、知識がしみこむように理解できるのではないでしょうか。

こういう授業やっていると、少しずつ「勝手なおもしろい行動」が発生してきます。角柱の展開図について考えてみたり、円錐はだれもが苦心していました。牛乳パックを実際につくって「水いれたろーじゃん」と、おもしろそう。

一方で予想外だったことに、「直方体もやってみたい!」と自然と意見が出るかと思っていましたが、そういう感想はありませんでした(涙)。ここまでガッツリと立方体づくりを経験し、結構満足してしまったようなので、授業には組み込まず自学ノートにやりたい人はどうぞ、と紹介だけしました。

ちなみに、直方体の展開図はいくつあるかご存じですか? なんと50種類以上もあるんです。だから、実際につくってためして、たしかめることはできませんね。系統的に順番にやるアイディアがここでもさらにいきてくるはず。

立方体の展開図は何種類?

前回からひきつづき、立方体の展開図はいくつあるのか調べてみました。グループごとに出し合い、同じものは重ねて掲示していく。

すると、「13種類ある!」となんとも盛り上がりを見せています。表裏、上下、左右反転すると実は同じものがありました。しばらくとぼけていると、お互いグループごとに確認しつつ11種類に落ち着きました。

おもしろい見つけ方に、展開図をそれぞれ考えるのは難しいためか、立方体が6面であることをみつけ、その組み合わせを実際にためして、たしかめる作戦。こういうの空間認知が苦手な子にとっては支えとなってくれる秀逸なアイディアですね。

また、効率よくさがそうと「順番で考える作戦」で一つずつブロックをずらして展開図を探している子もします。こういう数学的な技を使えるってすばらしい。クラス全体で整理するときに活かせそうです。

僕は、子どもたちがこういう考える時間がなんともおもしろくてスキです。あっという間の時間がすぎてしまう感覚。「もう休み時間なの?」と。「授業/休み時間逆転現象」とよびたい。

そして、次の時間に「順番で考える作戦」でまとめてみると、3パターン+それにあてはまらない2つで決着つきました。こういう経験をしていると、やみくもに探す必要も暗記する必要もなく、系統的に確かめようとすれば、いつでも頭の中から引き出せるので秀逸ですね。

実際につくって、くらべて、まとめてみる。こういう作業をみんなで考えるとちがいがでてきたり、まちがいもでてきて楽しい。そういう算数、好きだなぁ。

4つのサイコロ展開図をみつける

2時間目は、より複雑なサイコロパズルから4つの立方体の展開図を見つけだす問題から(ガウスの会『オイラー先生のおもしろ図形問題集プラス』参考)。いわゆる簡単な十時の展開図よりも複雑な展開図を経験していきます。

これは頭をひねる! 子どもたちはみんな手を使って「こうでしょ。こうでしょと」ダチョウ倶楽部やーやー状態になってしまう笑。

この立体単元ではこれまでの本校の学習計画とは変えて、ていねいに「教える/教わる」といった教師と子どもの関係から、教師による投げかけから、自分で学び取る姿勢をもってほしいといきなり展開図からの導入でした。そのためには夢中になって「追求したい、やってみたい、知りたい」何かがある必要です。

夢中を発動するしかけのひとつ「ものづくり」を使いました。ちょきちょきハサミを使って、おしゃべりしながら楽しそう。子どもたちの様子をみながら単元計画を修正しながら組み立てている授業です。

しばらくすると、頭をつきあわていた子たちがサイコロを4つ完成しはじめました。嬉しそうに教えに回っています。こういうとき、素直に集団で一つのことをみんなで学ぶよさが生まれている瞬間。

前時でつくったのりしろありのサイコロの中にちょうど4つも収まるので嬉しそうにしまってありました。

ここから問いが生まれてきます。「はて、立方体の展開図ってまだ他にもあるのかな?」 そしてこれが次時の導入となっていきました。

サイコロづくりと冬休みすごろくづくり

3学期の算数では、算数探究「算数・数学におけるアートとは何か?」をはじめました。今、立体単元でまとめの一面展開図の算数作品づくりに挑戦中。自分の算数作品をつくるまでに、さまざまな立体に触れる経験をしてきました。それが、子どもたちの今の、そしてこれからの挑戦を支えてくれる実感があります。

年の初めには、「あけましておめでとう。さぁ、算数やるよ!」「えええええ〜!!」とサイコロパズルからスタートしました(ガウスの会『オイラー先生のおもしろ図形問題集プラス』参考)。2つのサイコロ展開図を見つけ出してサイコロ作り。できたら、それを見本にサイコロづくり。しかものりしろあり!これがまたおもしろいけど、難しい。のりしろの位置をどうアレンジするのか。最初にすべての辺にのりしろをつくり、後で処理する輩もいました。こういう発想は面白いなと思う。つくりながら学ぶ。まさにそういうこと。

そして、自分たちでつくったサイコロをコマにしながら、冬休みの出来事すごろくをつくって遊ぶ。これがまたおもしろかった! みんな、いろんな出来事があるのね笑。わははとスタートした3学期でした。