2024年 2月 の投稿一覧

「数学者の時間」でKAPLAを使ってみた

ここ数回の数学者の時間は「もの」を使って考えることと、子どもがつくるルールや「問題づくり」にこだわってきた。

昨年末のLAFTで、井本陽久さんの話に、木製ブロックのKAPLAを使った数学実践があった。これはおもしろそうだったので早速取り寄せてみて、子どもたちと何ができるか、遊び始めた。

しかし、ただの同じ形のブロック(1:3:15の木製ブロック)でしかないため、どういう数学的な場面設定をつくるか、よく分からない。しかたないので、自分なりにいろいろ試しながら問題の場づくりを考えてみた。

まず思いついたのは「高さ」。できるだけ高く積むにはどういう数学的なパターンが必要なのか。これはおもしろそうだったが、「より少ないブロックで」といった条件を付けたときに、積み上がったタワーからブロックを抜くなどの修正がしずらい点もあり、問題としてあまりふさわしくない。

やはり橋のように渡してみるのはおもしろそうだ。自分でもやってみたが、橋をわたす幅とその最小ブロック数にはどうもパターンもかくれていそうでおもしろい。さまざまな幅で最小を競ってみてもいい。問題の提示の仕方によれば、橋をつくるだけから、隠れたパターンを探すことができそう。さっそく授業化してみた。

今回はKAPLAを使って、その2回目。前回ではより少ないブロック数で深い渓谷に橋を渡したが、今回はその橋の上を車を通す場面設定とした。その車は、平面しか走らない。これがなかなかよくて、子どもたちは熱中していたし、よく考えて話し合っていた。

橋が完成するたび、僕は呼ばれて一緒にチョロQが橋を走りきれるか息をのんで見守った。けれども数秒後、子どもたちの悲鳴とともに橋が崩れ落ちる。最高だ。考えることはこういうことの連続なのかもしれない。

ちなみにチョロQはすでに生産中止となっていることをはじめて知ることとなった。代わりにダイソーシリーズで手に入れられたが、なんだか大事な子ども時代を一つ失ってしまった気がして、ものさみしいなぁ。

次回は、子どもたちにもっと楽しくなるためのKAPLAをつかった場面設定を「問題づくり」として考えてもらおうと思う。これはこれでとてもおもしろそうだ。

このKAPLAを使う数学。やってみると決定的残念事例が起こる。活動に夢中になりすぎて、数学者ノートへの記述がいっさいなくなってしまう。

しかし、それでもよく考えていることは事実。証拠はないが、よく考えている。

これをどう捉えていくのかは、今後また検討していきたい。ふりかえりの感想にもう少し、そのプロセスを振り返って記述してもらってもよかったかも。

でもこうやって授業を考えているときは、本当におもしろいなぁ。

雪の中で火起こししてからの焼きマシュマロうまし

予想通り、今朝は2時間遅れのスタート。その日の出授業を組み直したら、予定をみた校長さんが「いいの? 雪遊びをしないで。僕の授業はいつでもできるからさ」と、わざわざ雪遊びを誘ってきた。

校長さんは、クラスの子どもたちに、時間割りが変更になったことを6時間目にクラスに来て話してくれた。「この間、みんなが火起こししている様子をみてたら、本当に楽しそうでいいなと思ったんだ。だから、よりよい方を提案してみたんだ。みんなもいいなと思うことはどんどん提案しよう」と。

そういう学校です。

ということで、雪遊びもそこそこ、火起こし道具(七頭舞の棒、板きれ、去年どこからか見つけてきたロープ、麻紐、バケツ)もって、しぜん広場にやってきた。

こういう雪の中でわざわざ火起こしして、マシュマロを食べようとたくらむこと。とてもいい。これまでの火起こしで一番ハードモードだ。熱も入る。

実は火起こしってものすごく繊細な配慮が必要。すりあわせる板と棒の素材もそうだけど、ほんの小さな失敗で火がおこらないことがほとんどだ。子どもたちがやりがちな失敗は、つい土にその棒先をおとしてしまい温度を下げてしまうとか、種火を集められないとか、ものすごく繊細な「気づき」の積み重ねで成り立つのが火起こしだ。

決して力業では、ただ煙だけおきて、つまらない代物。マシュマロ焼きだって、ここ一ヶ月挑戦しているが、なかなかマシュマロを焼けるところでは来ていない。

別にライターがあればことすむことだけど、自分で火をおこせるスキルをもっていると、なんだか人類の英知を受け継いだ気がしてしまう。そこに子どもたちも魅了されるのかもしれない。そして、身につけてみて初めて知る、自分の身体への圧倒的な信頼感。これに勝るものなし。こうして、やんちゃキッズは魅了されていく。

二度ほど失敗はあったが、炎を作ることができた。僕も今回は焼きマシュマロたべたいからけっこう、口を出していた。けど、みんなで起こした火からうれしくて、うれしくて、小6男子が大きな体を揺さぶって喜んでいる姿はいい。

火があがると不思議で、これまで焚き火に興味を示さなかった雪遊びをしていた子達が「なんか食べられそう」と集まってきた。その子達にも焼きマシュマロをわけて、おいしいほっこりとした時間となった。

学校ってどういうところなんだろう。

もっと自然と一緒に生活したり、味わったりできるといい。学校は、勉強だけでない経験もできるところなはず。カリキュラムはあっていいけど、カリキュラム通りと、しばられちゃいけないなぁ。まぁ本当は、予定通り授業をすすめたいけど、「今」しかないことがあるし、そこに意味があるはず。

次はホットココア(マシュマロ入り)を飲もうとなった。ココアは温める時間がかかるので、マシュマロに比べてかなり上級だが、雪の中でも火がおこせれば、もはや敵はいない。

煙にいぶされ1日くさかったなー。

入試が終わり、雪が降る

東京に雪が降った。去年よりも積もった。放課後は子どもたちと校庭ですごした。

いつも注意されている子はもちろんのこと、普段、あのやさしい子までが目の色を変えて、僕に雪玉のねらいすましていた。なんだろう。雪は人を狂わしてしまうのか。

午前中、授業の合間に放送で「先生方は職員室へ、集まってください」と連絡が入った。教室から「いえーい!」「もしかして休校!?」「やっほーい!」と早とちりした叫び声が、職員室で仕事をしていた僕にもれ聞こえたきた。子どもってそういうもんだとおもうし、僕もこっそり休校を支持している。

通常通りの登校だったら、雪遊びもそうだけど、雪の中で火起こしをやってみようかな。今朝のしぜん広場では、あまりにも寒くて火がおこせなかったそのリベンジ。マシュマロ焼きがいつまでたってもおあずけだ。

中学入試もここのところでようやく終わった。インフルエンザが流行しはじめ、一時はどうなることかとヒヤヒヤしたけど、なんとか食い止まり、ほっと一安心。これでようやく卒業に向けて、落ち着いてもろもろに取り組める時期がやってきた。

入試問題はなかなか難しいものが多い。「なにこのイジワル問題!?」みたいなのもあるけれど、中には考えるにふさわしい、おもしろい問題もいくつか見つけることもできる。

子どもたちには、せめてそういう問題を見つけて、楽しんで解いてきてほしいと伝えてきたし、この2年間は、子どもたちとはそういう考えたいと思うことを大事にしてきた。

今回、受験についてはいろいろ思うことがあった。しばらくしたら、ちゃんとふりかえりたい。

さぁ、どんな1日になるかな。いってきます。