心と身体で感じる野生の主体性を発揮してる?

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LAFT中動態のキックオフ。急な呼びかけにもかかわらず、小中、公立私立の校種をこえて、「疲れているけど」12名ほどの参加者が集まった。多くはLAFT留年組(シーズン終わっても継続メンバー)と、ここにまた「中動態」に興味を持つ新しいメンバーが加わり、今期もまた、新しいまぜこぜの場が生まれている。「いつメン」だけに固定されず、テーマによって少しずつ変わるメンバー構成はなんだか心地よく、ゆるやかな集団でいいなと思う。そして12名程度だと、サークル対話でじっくりとお互いの興味関心やその違いやズレを交換しながら進められるギリギリの人数だとも感じた。

それぞれが話したいことを話す自己紹介を終えて、「今、思う中動態」ってどんなものかを思うままに話し合った。いきなり中動態核心へ向かう前に、こういうゆったりとした対話のエンジンをあっためる時間は大事にしたい。

僕のハイライトを残しておきたい。

学校という場は、子どもたちに常に主体性を期待している。子どもが主体性を発揮する前の状態や、受動・受け身でいられることをあまり歓迎されていないのではないかという投げかけがあった。だからこそ今回のテーマである「中動態」メガネをかけることは、子どもたちをよりそのままでいられるように、捉え直すことができるのではないか、という期待感もふくらんでいった。

その主体性にも野生の「主体性A」と知性の「主体性B」があって(この辺りは久保健太『写真と動画でわかる!「主体性」から理解する子どもの発達』に詳しい)、本当に心から感じることを、行動しようとしてできているのか。

ちなみに

主体性A:様々な感覚がその人の中に湧き出てくること。快も不快も、心が動く主体性のことを指す。

主体性B:主体性Aの感覚を整理しながらする/しないを決めることで、頭が動く知性の主体性のことをさす。OECDのいう行為主体性エージェンシーに近いかな。

中動態を学ぶことで、期待している学びの場において「いいこと思いついちゃった」と子どもが自由な主体性を発揮し、その場にいるメンバーを巻き込みながら、創造的なアイディアが生まれていく。でも、それ以前に本当に心から、子どもが心から、身体からやりたいことを発していられる野生の主体性Bが発揮されているのか、LAFTメンバーはそれぞれの教育環境への自問が始まった。

僕はこういうアイディアが創発的に到来してくる場は、しっかりとした授業設計が必要だと思う。どういう学習環境や子どもたちの関係性があるとより中動態する場となるのか見極めていきたい。同時に「あそび心」が許されないと、こういったクリエイティブな学び合いは生まれてこないこともわかってきた。無駄や寄り道、サボったり休憩することこそが、授業の中にすでに含み込まれて設計されているのかどうか、この辺りはもっとじっくりと考えていきたい。

じっくり4時間、対話が終わってみると不思議で、なんだかすでに『中動態の世界』や『子どもの遊びを考える: 「いいこと思いついた!」から見えてくること』を読み終えてしまったかのような清々しい錯覚に陥ってしまう。まだ読んではいないけど笑。

次回のLAFTは6月14日を予定しているので、中動態で見る授業に興味がある方は一緒に学べるといいですね。このゴールデンウィークはじっくりと課題図書となった『中動態の世界』を読み直していこうと思います。ためしに『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』を読み始めたら、おもしろすぎてとまらない。

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