「数学者の時間」でKAPLAを使ってみた

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ここ数回の数学者の時間は「もの」を使って考えることと、子どもがつくるルールや「問題づくり」にこだわってきた。

昨年末のLAFTで、井本陽久さんの話に、木製ブロックのKAPLAを使った数学実践があった。これはおもしろそうだったので早速取り寄せてみて、子どもたちと何ができるか、遊び始めた。

しかし、ただの同じ形のブロック(1:3:15の木製ブロック)でしかないため、どういう数学的な場面設定をつくるか、よく分からない。しかたないので、自分なりにいろいろ試しながら問題の場づくりを考えてみた。

まず思いついたのは「高さ」。できるだけ高く積むにはどういう数学的なパターンが必要なのか。これはおもしろそうだったが、「より少ないブロックで」といった条件を付けたときに、積み上がったタワーからブロックを抜くなどの修正がしずらい点もあり、問題としてあまりふさわしくない。

やはり橋のように渡してみるのはおもしろそうだ。自分でもやってみたが、橋をわたす幅とその最小ブロック数にはどうもパターンもかくれていそうでおもしろい。さまざまな幅で最小を競ってみてもいい。問題の提示の仕方によれば、橋をつくるだけから、隠れたパターンを探すことができそう。さっそく授業化してみた。

今回はKAPLAを使って、その2回目。前回ではより少ないブロック数で深い渓谷に橋を渡したが、今回はその橋の上を車を通す場面設定とした。その車は、平面しか走らない。これがなかなかよくて、子どもたちは熱中していたし、よく考えて話し合っていた。

橋が完成するたび、僕は呼ばれて一緒にチョロQが橋を走りきれるか息をのんで見守った。けれども数秒後、子どもたちの悲鳴とともに橋が崩れ落ちる。最高だ。考えることはこういうことの連続なのかもしれない。

ちなみにチョロQはすでに生産中止となっていることをはじめて知ることとなった。代わりにダイソーシリーズで手に入れられたが、なんだか大事な子ども時代を一つ失ってしまった気がして、ものさみしいなぁ。

次回は、子どもたちにもっと楽しくなるためのKAPLAをつかった場面設定を「問題づくり」として考えてもらおうと思う。これはこれでとてもおもしろそうだ。

このKAPLAを使う数学。やってみると決定的残念事例が起こる。活動に夢中になりすぎて、数学者ノートへの記述がいっさいなくなってしまう。

しかし、それでもよく考えていることは事実。証拠はないが、よく考えている。

これをどう捉えていくのかは、今後また検討していきたい。ふりかえりの感想にもう少し、そのプロセスを振り返って記述してもらってもよかったかも。

でもこうやって授業を考えているときは、本当におもしろいなぁ。

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