『ようこそ、1人ひとりをいかす教室へ』5章 よいカリキュラムとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いよいよ、授業のカリキュラムへと。ちがいをいかすには、まずは「教師が」「明確に」その授業・単元(ユニット)のゴールを明確にしておかないといけません。

”“生徒が授業の結果としてどんな知識を得て、何を理解して何ができるようになるのかということについて教師が明確に分かっていなければ、教師が用意した学習活動は、それが魅力的であってもなくても、生徒が学ぼうとしている内容に内在している基本的な概念や原理を理解することにはきっと役立たないと思います。”

『ようこそ、1人ひとりをいかす教室へ』P79より”

これは、ほんとにその通りだと思います。これまでの自分の授業をふりかえってみても、特にワークショップ授業や探究学習におこりがちですが、なんとなく体験して、学習者はそれ「学習内容・事実・知識」といった浅い理解には詳しくなったけど、どんな概念やスキルといったより深い理解にとぼしいいことが。

それはやっぱり、この教えるべきめあてが明確になっていないから。そして、偶発的、クラスの人数分の多発的ニーズにどう応えていったらいいのか?に呆然としてしまうのでした。

ここに風穴を開けてくれるのが評価。評価ときくとすぐに終末のテストをイメージされてしまうけど、そうじゃなくて、形成的評価。関わり続け、支援し続けるって評価です。相手がどんな状態にあって、どんなニーズをもっていて、どこに向かうべきなのか、そういうことを分からないで、個別に教えていても、あんまり効果がないってことでした。

そこを土台として、

“P99 授業の懸命なサイクル 

①学習の明確なゴール、生徒が目標達成する計画づくり

②生徒の診断的評価でニーズをつかみ、計画の修正

③最初の区分を教え、理解度を判断し、計画を改善”

このサイクルは、授業をふりかえる視点となりそうですね。

カンファランスが難しいっていう人にはP100にある、3つの観点を理解されると、かなり解消されるんじゃないでしょうか。

とくにこの章はじっくりと読むことがおすすめです。今思うのですが、この冬休みに多読に走らずによかった。じっくりと1冊をしゃぶりつくすって、深く理解するきっかけをくれる読み方となりそうです。

・学習の各区分を終えた結果として、生徒が知識を獲得すべき子と、理解すべきこと、できるようになるべきことを、教師と生徒がはっきりとわかっていること。★この両者がみそ!

・決められた時間で学習目標を目指して取り組んでいるときに今どこに位置しているのかを、教師と生徒がはっきり分かっていること。

・次に続く学習区分において、生徒間のギャップや間違った理解、より高いレベルでの習得に対して、生徒が明確に成長できる可能性の高いやり方で取り組むことを保証する責任を、教師が引き受けていること。 ” P100より

一方、カリキュラムの要素がよくまとまっているのですが、日本的指導案になれてしまっているのか、言葉の意味がややとりにくく、すっきり理解しきれていないところがあります。

特に、汎用的概念については興味ありです。それって、教科を横断して活用する概念なんだろうけど、教科特有の概念(角や円)といった専門的概念もありえるのかな。ここのところはもうちょっとよく研究していきたいところです。

ちなみに、カリキュラム構成要素には大きく3つ。ふむふむでした。

①内容(事実、概念と原理、スキル、手段)

②方法(生徒が内容の意味を理解する機会のこと・活動)

③成果物(理解するようになったことと、できるようになったことを示す手段)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

最近のコメント

    コメントを残す

    *