学級づくり

五角形コアラのマーチで体積を求めた

先日のポストで、Facebook友だちの鈴谷さんに「コアラのマーチには五角形もあること」を教えてもらった。なるほど、こんどは体積をもとめる問題をどうつくろうか思案していたので、いいヒントをもらえた。

さっそく五角形のコアラのマーチを問題にとりいれてみた。今度は体積を求める問題にして、子どもたちと解き合った。

1辺が3.5cmの正五角形とおもいきや。。。

前回の授業では六角形のコアラのマーチの表面積を求めた。

六角形のコアラのマーチの表面積求めるときには、側面積は「たて×横×6面」で簡単に求められるものの、六角形の面積の求め方が多様にでてきておもしろかった。

シンプルに台形の二つ分にするグループ。

対角線を引いて、同じ形の三角形の6個分で求めるグループ。

この考えを推し進め、同じ底辺を共有し、高さが同じ面積の三角形6個分でもとめるなど。

中には、のりしろを加味して、六角形を円に収め、はみでた弧の部分をのしりしろにまわすトリッキーな考えもでてきていた。

こういうときには、ずっとグループでよく話し合っていた。

ちなみに僕の算数授業では毎回、くじ引きで席順をミックスしている。これおすすめです。なれてくればものの1分もかかりません。

そして、今回の五角形の体積の求め方も多様でおもしろかった。

手順がわかりやすくて簡単なのは、五角形に補助線を引いて、台形と三角形にわけて底面積を求めること。

しかしじつはこのコアラのマーチ正五角形ではない。子どもたちが辺をそれぞれ計測してみると、わずかに長さに違いがあることが分かった。

そのため、なんとか正五角形としてみようと、辺の長さの平均値として求めようとする子もでてきた。でも、周りの長さを平均値化された正五角形としてみても、同じ面積になるのか思案していたので、今日、自学で考えてくるといっていた。

とまぁ、コアラのマーチは立体の表面積や体積をもとめる問題にもってこいだ。僕が思っていた以上に「考える」ことへ没頭できる問題となった。ほんとはもっとじっくりと問題を準備し、つくりたかったが、日々、走りながら教材を開発しようとするとそうもいってられない。

でも、熱中している子どもたちの様子をみると「準備」って大変とおもうけど、それこそがやっぱり大事なんだとしみじみ思う。さて、明日の数学者の時間の問題はなんにしよう。

優れた教師がもっている5つの資質

優れた教師がもっている資質を5つ挙げよと言われたら何になるだろう。

①よく観察して学習者の実態を確かめる/学習者が既に知っていることをいかす

②教える内容や技術についてよく研究している/専門性をもっている 

③励まし、褒め、共に喜ぶ、失敗もOK、学習者の⾃信を育てる

④答えは教えずに問いかける、一緒に考える

⑤学んだことを実際にためす場や本物の試合を⽤ 意する

これまでの自分のふりかえりやメモからひっぱりだしてみたベスト5。やっぱりこういうことを基本として大事にしていけるといいとおもう。

僕はどうしても③が弱い。過剰に褒めたりすることはなんか操作的に思えてしまい、いい場面はニコッとして、そっとしておいてしまう傾向が強い。でも、もっといっしょに喜んでもいいはず。このあたりは改善していけるといい。

最近、⑤の学んだことを実際に活かしたり、試す学びにとくに興味がある。3学期の算数では「対称」を活かした「家紋づくり」をやってみたいと思案中。学んだことを活かせない学びって、日本語しか使わない島国ジパングで英語を学んでいるようなものじゃん。

みなさんは優れた教師がもつ特徴ベスト5はなんになりますか?

本当に強い人とは? 弱い人のことだと思う

腰が痛みを増した。もう少しやりきりたい授業準備に届かなくなってきた。予定していたことの変更を余儀なくされる。ここのところ、なかなかしんどいことが続く。

それでも毎日はすぎていく。

でもふりかえってみると、それほど悪いわけじゃないこともある。

教室で思案していたことがひとつ前進した。授業参観、懇談会も今日、無事に終わった。ようやくじっくりと授業に向き合えそうだ。授業の案をじっくり考えたい。月末の2つのLAFTも両方、満席となった。ありがたい。新しいプロジェクトもスムーズに動き出した。

不思議だが、ふりかえってみると大変なこともよかったこともおなじぐらいあるもんだ。

つい欠けている部分に目がいってしまう。エンドル環(あの視力検査の「C」ってやつ)を見ると、自然と欠けているところが先に飛び込んできてしまう。欠点はほっておいてもアンテナが立つ。

見えているけど、見えていないことがある。目には映ってはいるけれど、認識できていないことがある。すでにできていて、良い点へ意識を向けられるようになるといいと思う。けど、それは刹那な慰めにしかならないなぁ。

欠けている部分やできていない自分を、ちゃんともってられるようにしたいと思う。

失敗や批判も、しばらく自分の腹の中に抱えられるように、受け止められる度量があるといい。こういうことは自分の成熟度がためされていることでもあるし、耳の痛い話は自分にとってまだ改善の余地があるってことだし。

本当に強いってどういうことだろう。

自分の弱さやできなささを素直に認められることかもしれない。子どもたちをみていると、自分のできないことを素直に「教えて」と言える子ほど、よく学んでいるし、よく伸びる。子どもたちのほうが大人よりも「うまく生きているなぁ」と思うことが度々ある。

自分の弱さに寛容であり、うまくいかない自分も許せること。まぁ、あんまり自分に過度な期待をしないことかもしれない。

やっぱりこうやっていろいろ抱えながら、次に進んで行くんだと思う。今はそれでいいと思う。

届いた新刊本を読もうとしたら、すぐに眠くなってしまった。

今、一番熱いバスケマンガ『Deep3』

この週末は、いつもにも増して忙しかった。オンラインのミーティングで、新しくコーチング・プロジェクトの顔合わせ。そして、原稿一つ書いて、バスケ観戦、またオンラインで「数学者の時間」の早朝ミーティング、そしてバスケ練習へ。

なんだかトレーニングで腰を痛めたのか、じんわりと痛みがあるので無理ができない。そして、やるべき仕事も溜まっている。

そうだ、こういうときは、マンガだ!

ということで、現実逃避するのに今、一番熱いマンガをおすすめしたい。それが熱烈バスケマンガ「Deep 3」だ。

バスケマンガの金字塔は誰もが知る「SLAM DUNK」だろう。しかし、今! 一番熱いバスケマンガといえば、この一択だ。

主人公の河合デミアンはめっちゃバスケ上手で将来の世界最高峰プロリーグNBO(いわゆるNBAね)を目指していた高校生。しかし、イップス(心の葛藤により、筋肉や神経細胞、脳細胞にまで影響を及ぼす心理的症状)でゴール下でのペイントエリアでの体が固まってしまいシュート入らなくなってしまう。

この試練を克服しようと、ディープ3と呼ばれる3ポイントラインからの外で放たれるショット。これ一本で生きていく。

挫折のない人生はない。だから、人生の真価が問われるのは、

転落したときだ。人は“人生の谷底で”何をすれば良いのか――

その答えが、ここにある。(小学館HPより)

今、8巻目。不覚にも涙を流してしまった。デミアンのあこがれであるアービン・ジョンソン(これはもうコービーのことね)が飛行機事故で亡くなってしまう前のメッセージ。

マンガを読んで涙がでちゃうのは、青春ジャズマンガの「BLUE GIANT」以来だ。「Deep3」は「BLUE GIANT」のバスケ版だ。

バスケ好きにはたまらない、NBAネタやBリーグ選手の名前がいじられていて、オマージュがおもしろい。顔はキャラそっくりだったりするのに、名前は「波多野 阿怜」とは笑える。群馬クレインサンダースの八村阿蓮のはずなのに、すごいガラが悪い。

今、夏のワールドカップの影響から、バスケが人気。今シーズンでは毎回、サンロッカーズ渋谷のチケットは完売中。ホーキンソン効果が高い。

さぁ、どっぷりつかろう。バスケマンガの世界に。

chatGPTに授業づくりのヒントをもらうと便利だよ!でも一番は自分が何をやりたいかだなぁ

算数の立体の体積を学習している。コアラのマーチの表面積を図るような問題を導入として考えていたけれど、子どもにとって「はかりたい」といった必要感をどうつくるか、思案していた。

chatGPTに相談してみた。

「あなたは教育のエキスパートです。生徒に興味の引くような算数授業の導入のポイントを挙げてください」

まずはこのプロンプトで、子どもの興味を引き出すような導入のセットアップを試みた。

すると、

・実生活との関連付け

・ゲームとパズルの活用

・視覚的な学習材料

・協力学習

・フィードバックと称賛

・差別化された指導

など、さもありなんといったものが挙げられていた。なるほどなるほど。

次に「6年生の算数の立体単元で、表面積について学習します。授業の導入に子どもに人気なお菓子の箱(六角柱)を使います。そのための問題文を10を考えてください」とchatGPTに投げてみた。

すると

・デザインコンテスト

・環境意識

・コスト削減

・ラッピングプロジェクト

・広告の計画

・再設計の提案

・材料の選択

・体積との比較

・最適なサイズの検討

・エコフレンドリーな包装

などのアイディアが具体的な投げかけと共に提案された。

環境意識:「このお菓子の箱をより環境に優しいものにするために、使用する材料を最小限に抑えるにはどうしたら良いですか?表面積を基に提案してください。」

これにピン!ときたので、その後、いくつかchatGPTに「環境意識」の問題について質問してみた。

そうこうするうちに、コアラのマーチの再生紙素材をよりエコな素材に変えてみるアイディアがひらめいた。

再生紙よりエコな素材、それはなんだろう?

しばらくネットで検索してみたら、「竹紙」を見つけた。生長もはやく、農薬も必要ないため、よりエコな素材のようで最近、話題となっているようだった。

https://ecodepa.jp/hpgen/HPB/entries/534.html

これをもとに、問題文を作成してみた。

今日は、子どもたちとコアラのマーチの表面積+のりしろを求め、おいしくコアラのマーチをいただいた。とことん追求する子は、のりしろの面積をぎりぎりまで少なく算出して攻めまくっていた。授業が終わっても、設計しなおして、計算して、また新しい数値をもってきた。こういう子、おもしろくて好き。

最近はこんな感じで、授業づくりの相談相手として、まずchatGPTに投げかけてみて、考えるヒントをもらったりしている。

でも、結局は自分で「どうしたいのか」「どんな授業をつくりたいのか」がないとchatGPTはただのツールでしかないなぁ。

OECDのPISAテスト、「何位」よりも「何を」

OECDからPISAテストの結果報告されたことを今朝の新聞で知った。実は「何位」とかあまり興味がわかなかった。それよりも、「何を」育てたいのか、「何が」育っているのかが知りたい。

数学的リテラシー問題で例題ものっていたので、さっそく算数授業で取り扱ってみようと思う。15歳向けの問題だったが、十分5年生でも解ける問題もあった。

ちょうど今、OECD関連の本をじっくり読んでいたので僕にとってはキャッチーな話題だったので嬉しい。ようやく手元にこの本が届いて、気になっていた知識についてじっくりと読むことができた。そしてこれまで取り組んできた数学者の時間に納得できたことがあった。なんだかんだ言っても、こういう地味な読書や学習が学問の土台をつくると信じている。

https://amzn.to/3Ruait3

それは、数学者の時間で取り組んでいる良問を解く時間は、「③エピステミックな知識」の育成に役立っていることだとわかった。本物の数学者のように、数学者が使う「見方・考え方」あまりこの言葉は好きじゃないけど、いうなら数学メガネを使って、その科学がもつ特性をいかしたものの見方や考え方を使っている。問題解決プロセスや特殊化や一般化などの数学的思考もそれにあたるだろう。

また、数学者の時間で数学探究しているときは、「②教科横断型の知識」を使っている。教科書やテキスト教材を使うときは、「①教科の知識」をしっかりと土台として学習している。

多くの国がもっている課題に、カリキュラムオーバーロード、教えすぎがある。そのバランスをとろうと、②教科横断型の知識や、③エピステミックな知識を授業の中に取り入れようとしていた。

これをすでに10年前から学校現場で、算数数学を専門としていない小学校先生数人で試行錯誤していたこと、これはすごいことだと思う。

時代がおいついてきた笑

詳しくは以下にメモ。興味があったら本を手に取ってほしい本。ランキングに踊らされずに、何を教えたいのかが教育の目指すものが明確になっている(と思う)。とはいうものの、これも世界からみた教育のひとつの目標であって、目の前の子どもたち、自分たちの学校にとって大事なことはまた別に数多く存在することを忘れてはいけないなぁ。

「エピステミックな知識」についての読書メモ P112~115

  • 各教科の学問原理をどうとらえるのかという視点や考え方、手続きに関する知識。
  • 各学問分野の専門的知見を有する実践家が、どのように仕事をしたり、思考したりするかということについての理解。
  • EP知識を獲得すると、学習目標を見つけるようになったり、学習したことを適用することについて理解したり、教科の知識を深めることができる。
  • 「○○者的に考える」各教科には学問分野に固有の考え方や原理原則(ディシプリン)がある。
  • 地球温暖化問題の対応は生物学や歴史学、数学ではアプローチが異なるように。
  • 科学分野における知識は3つに分類される。
  • ①コンテンツの知識:科学に関する事実や概念、アイディアや理論などの伝統的な知識
  • ②手続的知識:科学において用いられてきた科学的探究の基板となる実践や概念に関する知識。
  • データの表現や伝え方、誤差をなくすための繰り返し測定、変数を変えてみることなど。
  • ③エピステミックな知識:特定の構成概念の役割や科学の知識構築のプロセスに必要な決定的な特徴である。
  • 質問や観察、理論や仮説、モデルや議論などの科学における機能についての理解、信頼できる知識を構築するためのピアレビューの役割、
  • 科学的な知識がどのように形成されたのかとか、その性質や妥当性、信頼性に関する理解を含むもの
  • ※これまで手続き的知識として整理されてきた。
  • 生徒が学習した知識を実生活の課題と結びつけて考えられるようになることにその意義がある。真正の学びをつくる。★うーん、論に飛躍が多いな。このあたり丁寧に書いてほしい。
  • 教科が現実的な課題解決にどのように役立っているか
  • 数学者が物事を考えるために必要な知識とはどういうものなのか
  • 深めていくためには、このような問いに答えていくことだ。
  • この教科では何を学んでいるのか、またそれはなぜなのか
  • この知識を、自分の生活において活用することができるのか
  • 科学者だったらどう考えるのか
  • 医者だったらどのような倫理にしたがっているのか
  • ★○○さんだったらどう考えるのかといった、教師モデルをもうけるのと一緒。教師もひとつの専門家か。
  • 獲得した知識が、現実的な課題解決に必要かどうかを理解できる。
  • 未来に向けて世界をよりよくしていくためにはどうしたらよいかについても、よりよく知ることができる。
数学的に考えたくなる手すりだな

卒業生が会いにきてくれた

今日、昼休みに教室で子どもたちとラップ・バトルをして遊んでいたら(しょーもない遊びだが真面目にやっていた)、教室直通の放送でよばれた。どうも、卒業生が来校しているので会いたいということだった。

先生「んじゃ、おれ、会いにいってくるわ」

子ども「おれもいきたい」

子ども「私もいきたい」

先生「え!だって、まったく知らない人じゃん」

子ども「いいじゃんいいじゃん、卒業生でしょ、先輩じゃん」

先生「うーん。まぁ、一人で会いに行くよりは(話題の種にもなって)いいのかな」

子ども「やったー!」

子ども「いこういこう。他に行きたい人ー!?」

先生「こらこら、さそうな」

ということで、最初、2〜3人だったはずの子どもたちが、いつのまにか10人近くにふくれあがっていた。いつのまに「自己紹介」合唱をはじめながら、玄関に降りていった。

その卒業生(正確には卒業する前に転校してしまったので卒業生ではないが)は僕がこの学校にきてはじめて担任した子。夏にニューヨークへ転校していったが、ずっと気がかりになっていて、細々と連絡をとりあってきた子だ。

教室ではいつも読書をしていて、決して目立たない子だった。英語もからっきしといっていた。果たしてやっていけるのか。

その子は「アメリカにいったら自分の主張ができるようになりたい!」と、夏の宿泊学習の夜、夜のふりかえりで勇気をふりしぼって、思いの丈を語ってくれたことを思い出す。みんなでそのチャレンジを応援したことを覚えている。

久しぶりに会ったその子は、しっかりとたくましくなっていた。アメリカの教室の大変だったこと、日本食が食べたかったことなどなど、ガンガン主張する子に様変わりしていた。

環境ってすごい。

付いて来たいっていってたクラスの子たちは、多少、様子をみながらも「イガせん、はやく、せーの!って言ってよ」とせかすので、僕の合図で「ようこそ!日本へ!」みたいな勝手な歓迎をはじめた。

卒業生は、来年度、この子たちの先輩になることがわかった。ちょっとつながりができて嬉しそうだった。

うちの学校は先生がかわらずいつまでもいるので、たまに卒業生が遊びに来ている。学校に会いに来る、先生に会いに来る、そういう場所があるって子どもたちはうらやましいなぁと思う。僕が卒業した目黒区立烏森小学校はどうなっているのだろうか。

これからもいつでも戻ってきたいと思える学校、先生でありたいと思う。

月曜からバタバタでいそがしかった日だけに、ちょっと元気をもらえてよかった日だった。

今日の算数はコアラのマーチ六角柱のパッケージを、エコ素材「竹紙」に変えるおいしい算数

ラーニングコンパス数学2023」を読み始めた④

「ラーニング・コンパス数学2023」の第三章は読み応えのある教師として一番しりたいところだった。僕の英語能力に限りがあるので意味理解が確かとはいえないかもしれないことを先にお断りを。

3章は「より広範な教育目標の必要性:個人と集団の幸福」

もうタイトルがすてきじゃないか。個人における能力をこえてどういう社会を望んでいるのか、そこまでの射程がいい。内容もとてもロジックツリーの構造となっていて、分かりやすいものだった。目次だけでも記録しておく。

これを眺めるだけでも、リテラシーや数字能力、デジタルリテタリー、健康や感情のとりあつかいが、育てるそのねっこにあることがわかる。

その土台の上に、社会改革する力、一つではなく知識、スキル、価値観を組み合わせた複合的な能力がのっかってくる。

なるほどー、こういう構造になっていることがわかるだけでも、「どんな力を育てたいのか」その全容がおぼろげながら見えてくる。

力を伸ばすための教育。これにはまだちょっと違和感もある。新自由主義的に能力が高ければ高いほどより幸せになれるみたいなのは幻想だと思う。身につけたその力を、どう弱者とわけあい、支え合えるのか、そういう思想があっての能力のはず。このあたりのことをどう解消されていくのか、まだ僕は一読では理解はできていないから、しばらくまた考えることになりそう。

参考までに第3章「より広範な教育目標の必要性:個人と集団の幸福」の目次を。

  • 3.1.学生の主体性:複雑で不確実な世界をナビゲートする
  • 3.2.コアの基礎
    • 3.2.1. リテラシー
    • 3.2.2 数字能力
    • 3.2.3.情報活用を含むデータ・リテラシー
    • 3.2.4.デジタル・リテラシー
    • 3.2.5.健康、社会性と情動の基盤
  • 3.3.社会を変革し、未来を形作る変革的能力
  • 3.4.複合コンピテンシー
  • 3.5.知識
    • 3.5.1学問的知識(Disciplinary Knowledge):
    • 3.5.2学際的知識(Interdisciplinary Knowledge):
    • 3.5.3認識に関する知識(Epistemic Knowledge):
    • 3.5.4手続き的知識(Procedural Knowledge):
  • 3.6. スキル
    • 3.6.1.問題解決
    • 3.6.2.クリティカル・シンキング
    • 3.6.3. 創造性
    • 3.6.4. コミュニケーション
    • 3.6.5.自己管理、学ぶための学習(エージェンシーとの連携)
  • 3.7.態度と価値観

僕なりにまとめてみると、こんなかんじかな。

OECDラーニング・コンパスは、経済的、社会的、教育的平等を推進するための幸福の重要性を強調している。教育の目的は、学習者が社会に貢献し、社会から利益を受けるための知識、技能、態度、価値観を育成するものである。これには、問題解決能力の育成や、他者への積極的で創造的な責任をもった対応ができ、社会との関わりを強化する能力の獲得が含まれる。

OECD (2023[1] ), “OECD Future of Education and Skills 2030: Learning Compass 2030″の3章を参考にまとめたもの

https://issuu.com/oecd.publishing/docs/e2030-learning_compass_2030-concept_notes?fr=xKAE9_zU1NQ (accessed 25 Sep 2023)

つづく

先生に挑戦状 !「数学者の時間」

今日は数学者の時間の3セット目。いよいよ自分たちがつくった問題を解き合う時間。出版された4人の問題を配付した。その中から子どもたちは自分が解きたい問題を選んで解く。問題を解いたら、その感想をファンレターとしてメッセージカードでプレゼント。ほっこりとする祝福タイムで僕はこの時間を気に入っている。

クラスをまたいでファンレターが行き交う。いつもはスンとすましている子も、隣のクラスからのメッセージに顔がほっこりしていた。普段なかなか目立たない子も、このときばかりはたくさんのファンレターをもらって嬉しそうだった。いい時間だ。

問題を解き終わった女子4人組の子たちが、自分たちの問題が完成したので出版しようともってきた。そして僕に挑戦状をたたきつけてきた。

「イガせん、これといてみてよ」

きた、上から目線のこのかんじ。

問題をちらとみると、ロープにつながれたヤギ問題の数学的構造をつかっての問題。そこに時間の計算も含まれていた。なかなかよくできている。

『柱に繋がれたヤギは16秒で5㎡の面積の草を食べて34秒休む。繋がれたひもは86mある。何時間何分何秒で動ける範囲の草を食べきることができるか。』たしかこんな問題だったかと思う。

僕一人で格闘していると、それに気付いたクラスの算数達人少年が隣にすわって一緒に参戦してくれることになった。

「イガせんがかわいそうじゃないか」「一緒に考えてあげるよ」おお、なんとも心づよく優しいやつ。

僕と少年は、ロープ86mでヤギが最大限に食べられる牧草地の面積を求め、そこから時間をわりだそうと、表をかいて特殊化して、丁寧に計算をはじめた。

「ここでひっかかるね」「あ、やっぱり!」

と鼻をふくらませて嬉しそうな女子軍団。

どうも答えはちがうらしい。うーん、くやしい。横で何度もあおってくるので、じっくり考える機会にならなくて「キー!これむずい」とイライラしていた。

すると少年が、「ここがまちがっているのかなぁ」「計算はあってるはずでしょ」ととても前向きな姿勢に心打たれ、僕もひっぱられるように、また問題にもどることができた。なるほど、仲間と学ぶってこういう体験を繰り返しているのか。

結局、この1コマの時間、ずっと僕はこの問題と格闘しておわった。たまに他の子の様子を流し見しながら、僕も問題に没頭する。それでもいい時間だと思っている。

その日のその子たちのジャーナルに「いつものしかえしができた。イガせんがまちがえて心地よい」と書かれているのを隣の担任が見せてくれた。

「まんまとイガキさんの思惑通りに育ってるわね笑」ノートを点検しながらこの授業の様子をみていた隣の担任が笑って話してくれた。

おもしろい子たちが育っていると思う。僕はこういう雰囲気はキライじゃない。教師も子どもも同じように挑戦しあえるといい。先生だって仲間の一人。

そして数学者の時間は次の新しい問題へとつづく。

「地球星歌」を覚えられない

来週が音楽会だ。

それにむけて、教員も歌をうたう。全校生徒と一緒にうたう「地球星歌」だ。作詞は「コスモス」をつくったミマスさん。僕にとっても思い出の深い曲だ。

歌はいい。

その時に担任していた子どもたちの顔を思い出せる。いつまでも思い出はいろあせない。

しかしだ。歌はつらい。

今日は、6年生の学年練習の際、その場にいた3人ほどの先生だけでいきなり「地球星歌」を歌わされた。めっちゃ緊張した。学年の先生は超上手に歌っている。僕は、本来テノールを唄うはずなのに、主旋律のメロディーをついつられてしまって、いつのまにかソプラノで喉を絞って首から背伸びして歌ってしまった。

ツライ。。。6年生の目がいつもよりも厳しい。

子どもたちからの「イガせんの声は聞こえたこなかったな」「小さいな」と様々な率直なフィードアタックをうけた。

そのなかでも「イガせんは声だしていたよ。オレ、聞こえたよ。よかったよ。あれはイガせんの100%だよ」と一人だけ優しい声をかけてくれる少年がいた。ありがとう。針のむしろで救われた。算数の成績満点にしてあげたい。うちの学校生成表ないけど。

うまくいかないときこそ、優しくしてもらうとほんと心がほぐれる。これからは子どもたちにはそう優しくしていこうと思う。今まで追い込みかけてしまっていて、ごめんなさい。

放課後も、子どもたちが特訓をしてくれた。ソプラノパートにつられないように、様々な手を使ってテノールを歌う僕の邪魔してくれた。しかし、なかなかうまく覚えられない。やはり僕は主旋律をつられて歌ってしまう。

ということで、家に帰ってきてからもお風呂で歌の特訓。夕飯を食べ終わってからも特訓。それでもなかなかテノールのパートを歌いきれない。

本番まであと5日。どうなってしまうのか。がんばれおれ。