今年のテーマは「算数する?」 算数メガネで日常世界に再発見

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コロナ禍もあり、今年の算数は余剰時間が十二分にとれなさそうです。それを今更、嘆いていても始まらないので「今年はどうやったら、昨年度までのような問題解決のサイクルを学び、それを使った算数探究へ突入することができるか?」を考えていました。

しばらく一人でゆるりと考えていましたが、あんまりよいアイディアはひらめかない。それでもしばらく考えようと、頭の片隅においときながら数日をすごしていました。すると、閃きは急にやってきました。

数学者の時間の研究メンバーと週末の朝、ミーティングで2学期以降の計画を検討していたときのことでした。「これまで通りができない今年度なら、年間通して一辺にやってしまえばいいんじゃない!?」と閃きました。

独力で考える時間は大切です。それには手書きノートがいいと思います。これについては、探究自学ノートを大人で取り組み始めた。一人で考える時間がある程度あるからこそ、対話したときに閃きが降りてくると思います。対話はそこをつなげてくれる装置です。ただし、思考したことを自由につなげられるかは、信頼できるかメンバー構成の対話に大きく影響されますね。

昨年度まで、丁寧に学期ごとにステップを踏んできたことを、ぎゅっとシュリンクさせてよりダイナミックに年間通して一辺にやってしまおうという魂胆です。算数授業において、「年間算数テーマ」で串ざして、算数の時間でも数学者の時間でもいつでも同じように年間算数テーマを追求していく。

イメージとするとPA(プロジェクト・アドベンチャー)でビーイングを作り上げるようなもの。抽象度の高いもの(例えば「フルバリュー」とか「算数する」とか)を試行錯誤することで、より具体的にしていくプロセスに焦点を当てながら、その年間算数テーマをそのクラスやその子に応じて定義づけていけばいいじゃん。これおもしろそう。

ドストライクでした。これまでの算数では、①算数の授業で学習内容を学び、②それを使って数学者の時間でさらに理解を深められるように、テーマを設定してものづくりをし、算数探究をして発展させていくといったような、二つを並行して扱っていくデュアル・プログラムでした。これを融合させて、一辺にやってしまうアイディアで、よりダイナミックな学びになるはずです。

そこで、年間算数テーマに「算数する」を設定することにしました。残りの2学期間を通して、どの教科書単元も数学者の時間の算数探究でさえも、「算数するとは?」を明らかにしていく、そんな学習テーマにしました。

そもそも算数するってどういうことなんでしょう? 教科書を学んでいるときは、算数している? うーん。どちらかといえば、「算数できる」になっているかもしれません。それを使ってみるといった視点はつい欠けてしまいがち。

この算数するって、算数メガネ(形状は絶対に丸メガネ設定で)をかけることなんだと思います。これまでは自分の世界の周りにはまだ見たことのない知らない算数世界が隠れていて、それを海賊王になるかのごとく算数探究をしてさがしにいく、そんなイメージでした。

でも、それはちょっとちがう。たくさん予習をして、どんどん先に進むことが学びを豊かにすることとは僕は思っていません。先取り先取り、知識を過剰なまでに増やそうとすることに加担したくはないのです。それよりも、今ある少ない知識を上手につかうことで、いろんな発見や問題解決ができること。そのほうが、安心して知らないでいられる。考える楽しさもあるし、大人になってからでも知識がないことへのコンプレックスもなく、知らないことは頭をひねることで、必要なら知識を増やせばいい。そのぐらいに思えた方が、人生楽しい。

「算数する」ことを考えたとき、今ある自分の世界やこれまで経験したことのあることやものを広げるではなく、算数メガネで見直すことで世界を再定義する。つまり、これまで知っていた世界がまた別の世界として観られること、そこに豊かさを感じています。

少ない知識であれこれ使って、創造的な問題解決の練習をする。知識を増やしていくアプローチではなく、いまある知識を使って見え方を豊かにしていくことなんでした。ここに僕は先日、投稿をして、本意があるんです。

「知る」だけではだめで、やっぱりそれを「つかう」こととセットなんです。「できない」「わからない」などの知らないことへの不安はすぐに換気されますが、知っていること使っていない事への不安は起こりにくいからこそ、なおさらです。

そこで、学期の最後に子どもたちと「2けたー2けた(または2けた+2けた)」の問題づくりをしました。そこでは、ただの「2けたー2けた」をつくるのではなく、生活の中から、または、実際にありそうな数を見つけて、問題づくりをすることにこだわってきました。

子どもたちは問題をつくる楽しさをいっぱいに感じています。すると「2年西組が86人います」と誰もがつくろうとします。より大きい数を扱って、問題を少しでも難しくしたいんですね。でも「西組86人もいませんから〜!」と。みんなで笑いました。

けど同じ問題は他にもでてきます。バナナだって86本もふつう買わないし、86こもケーキは買わない。このさじ加減がが難しい。ここからが苦しむとこでした。実は「86ー29」なんて実生活の中で、なかなか見つからないし、そういう目でそもそも生活をみたことがない。ここに算数メガネで見直すおもしろさがあると思うんです。

それでも、子どもたちはサクッとそこを乗り越えていきます。一人で考え、友だちとも考え合い、なかなか面白い問題でも生まれます。この時期だけにコロナの病人数問題は100に近い数として実感がありそうです。また、子どもの世界でありそうな繰り下がりのある妖怪問題(妖怪は絶対にいる!そうです笑)なんてのもありました。

これらの問題は、印刷して夏休みのドリル宿題にしました。学年みんなで取り組んだので、問題数は学年人数分です。算数プリントの宿題が一番多い学年でした。笑。

算数するってなんだろう? 

今年は算数メガネをかけて、今いる世界を算数で再定義していくことに探究していく、そんな実践を子どもたちと模索していこうと思います。

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