急遽、研究授業で「数学者の時間」カードゲームのルールづくりをやった

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今日は研究授業日。僕が担任するクラスが残って「対称」を活かした算数と美術のコラボ授業「イカスクラス家紋をつくろう」だった。

のはずだった。

美術の先生が体調不良で休まれた。さて、どうしたものか。ということで、急遽、算数で僕が研究授業をやることにした。

たまたま1・2時間目が空いていたので、これまで温めておいた、年末に井本さんから学んだ「カードゲームのルールを子どもが考える」授業を計画してみた。そう、数学者の時間だ。

この空き時間に指導案をちゃっちゃと2枚ほど書き上げた。職場の人から羨望のまなざしで「仕事できる人だ」と言われたけれども、そんなことはなく、いい加減なもんだ。そもそも指導「案」であってないようなもの。あんまり気にしていないからいくらでも書けてしまう。頭の整理にもってこいだった。

どんな良問にしようか少し悩んだが、この本からの引用とした。結果、おもいもしなかった「創造的カンチガイ」が生まれて、面白い授業となった。

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これまで授業では、様々な問題を使って特殊化(小さく試す、系統的に試す、表にしてみるなど)はやってきたので、今度はみっちりと一般化の練習をしようと考えた。一般化とは「カードゲームの必勝パターンをみつける」ことにした。

問題のパターンをみつけるために、何度も試してことで機能的に一般化する「経験的一般化(まずジャンケンに勝つ、相手を勝たせないように邪魔するカードをとる、5を先にとるなど)」から、上記の発見を使ってこのゲームをさらにオモシロくするルールを付け加える「構造的一般化」をこころみた。

提示した良問も、ちょうどいい難易度だったので、残りの時間はたっぷりと「問題づくり」もとい、カードゲームの「ルールづくり」にあてることが予定どおりできた。

全て15になる3つの組み合わせを系統的に表にする子がでてきた。さらには、5をとると手詰まりがなくなりそうなことも見つけている子もいた。中には、2や6のほうが扱いがイイという子もいた。これはこれでまだ特殊化が足りずその過程にいるからでそれももちろんOK。

研究授業っていつもクラスでやんちゃしている子が輝くあるあるがある。

「3つのカードで15をつくればいいんでしょ。ならこのカードの間に÷と×を書いて」と自分の机に鉛筆で÷と×を書いて、15をつくりはじめた。これはおもしろかった。たしかに問題には、「足し算で15をつくれ」とは書いていない。

このアイディアは、ゲームのルールづくりにもってこいと、みんなの前で紹介してもらった。ちょっとそのタイミングがはやかったこともあり、みんなはまだピンと来ていなかったようだが、ルールの多様さは少しずつ広がっていった。

子どもたちは必勝法(負けない方法)を見つけるにつれ、ルールづくりを始めていた。持ち札を5枚にしてみたり、合計を30を目指したり。ワイルドカードでジョーカーをいれている子もいた。次回もこれを続けていくので、どんなルールが出版されるか楽しみだ。

その後の研究協議は、子どもたちの名前とエピソードが飛び交う時間だった。うちの学校のいいところだ。そして参観した先生たちとで、トランプをしながら、先生ルールを一緒に考えて楽しんだ。僕にとってはこれが一番学びの多い時間だった。

あわただしかったけど、最近、入試の練習ばかりが続いていたので、なにかに夢中になれる数学者の時間ができてほんとうによかった。

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