不屈の精神でのぞむアドベンチャー教育を体験する『LAFT忘年会冬合宿』 にKAIさんをお招きして

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ついにKAI(現在風越学園副校長、日本におけるアドベンチャー教育の第一人者)を呼んでの箱根温泉合宿が行われた。あっという間の二日間だったが、告知通り、歴史にのこる研修となったことは、参加者だれもが首肯するはずだ。

温泉と忘年会をめあての甘い気持ちで参加したもの達は、この崇高なる教育という仕事は勤まらないことに、目が覚めたことだろう。何を隠そう、甘い気持ちはこの僕自身だった。

研修の数日前に参加者全員に、いきなりメールが届く。寒さ対策のアウター、インナーは必須。ヘッドランプ忘れるなとのこと。一体何が行われるのか、忘年会はどこいったのか。一気にアドベンチャー色が強くなり、KAIが本気を出してきたことがわかった。

このメールの意図を読み取れなかった人は、大きな心理的アドベンチャーが課され、革靴にガムテープをまきながら登山することになった。一方で僕はこういうときの危機管理意識が高すぎるため、プログラムは事前に一切聞いていなかったが、登山フル装備で来てしまい、アドベンチャーレベルを自分で下げてしまったことは本当に残念でならない。なんだったら僕も裸一貫、精神的なサバイバルをしたかった。

初日は、じっくりとKAIからアウトワード・バウンドの理念をベースにこの二日間をすごすことも告げられた。具体的なKAI実践は、Adventure In The Classroomについて公立校からの実践、風越学園での実践が丁寧に語られた。全ての取り組みが、目的にかなった活動となっている実に理路の通った説明は、KAIの強みでもある。

学校教育におけるアドベンチャー実践の本

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そして、KAI節が炸裂する。

“若者に大人の意見を押し付けるのは 魂の罪であるが、 やりたいかどうかにかかわらず わかるように、健康的な体験をさせないで放っておくのは罪である。(クルト・ハーンの言葉から引用)”

「アドベンチャーは、本気になるし、協力もする。そして、目標が生まれ、達成感も大きい。『チャレンジしないのもチャレンジ』といって挑戦をさけるのは、そんなの嘘」

チャレンジ・バイ・チョイス(参加者自らが課題に対して挑戦する度合いや方法を自らが選択する)を、バッサリだ。

このKAIの洞察は、プロジェクト・アドベンチャーでは経験できなかった一人ひとりの課題解決力不足の問題を、アウトワード・バウンドのルーツである「奉仕、努力、不屈」の精神で見事解決したものだ。

同じ事を僕も教室実践で感じていたことがあり、最近ではプロジェクト・アドベンチャーを使うのは学期の始めである1学期ぐらいしかやっていなかった。ふわっと温かいクラスになるが、何かものたりない。居心地のいいメインテナンス機能は高まるが、課題達成のパフォーマンス達成機能はそこそこで終わってしまう経験が僕にもたくさんあった。

だからといって集団の力を活かすプロジェクト・アドベンチャーをまったく否定するものではない。そこでは捉えきれなかった個の力をアウトワード・バウンドで補完したのだ。アドベンチャー教育のルーツは、本来アウトワード・バウンドで生かし切れなかった文脈(激しい自然の中の経験から学んだことを町の中での生活に転移することはなかなか至難の業だった)を、プロジェクト・アドベンチャーで補完したが、その逆をKAIは実践的に学び、形にした。学校教育が本当の意味で、チャレンジの場となっているのだろうか。ここに切り込んだ。これは、日本におけるアドベンチャー教育の大きな発展だと思う。KAI偉大なり。

“パニックゾーンの方が絶対学びが大きいとも。諸説あり。”

“子どもたちに、勝利と敗北をあじわわせること。 失敗を経験すること”

言葉は過激だが、言わんとすることはとてもよく伝わってくる

そして、後の2日間が、チャレンジはそれぞれと言われつつも、挑戦を強いられる心理的・身体的アドベンチャーに身を投じることとなっていく。痺れるね。

つづく

この研修は、温泉若旦那の三号の計らいもあり、箱根温泉「みたけ」で研修は行われた。普段は温泉宿であったはずだが、箸を切り出したり、火起こししたり、登山があったりと宿に収まらず箱根フィールドを堪能できたのは、三号のおかげであり、ここに感謝の念を伝えたい。本当にありがとうございました。

https://mitakeryokan.jp/

みなさんもぜひ、硫黄の薫り高い白濁した温泉とともに研修施設の可能性を広げていってほしい。今後、全ての研修は温泉とともにありたい。

このあとしょうさんの箸がなくなるという大きなアドベンチャーがまっていることは本人はつゆ知らず
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