子どもがうっかりルールを考えたくなる教材開発づくり

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メリークリスマスマティック!

LAFTで井本陽久さんをお招きして、1日研修会が行われた。井本さんと会いたい先生には遠くは和歌山から、近くは徒歩2分(僕)の総勢45名が集まった。

井本さんは、午前中から丸1日、そして夜の会までずっと参加してくださった。ここには書けない普段では聞けないような興味深い話もたくさんあった。

午前中の講座は、トランプを使った数理問題をみんなで楽しんだ。「インディアンポーカー」や「1〜10を揃える」どれもこれまでPAでやったことのありそうなおもしろそうな課題だった。

ただひとつちがうのは、そのトランプゲームには、数学的な問題を扱いながらコミュニケーション課題も味わえる「一粒で二度おいしい」グリコ状態が埋め込まれているものだった。

そして、この数理問題を味わいながらも、その後、井本さんから、人とどのようにコミュニケーションをとるのか、他者性とは何か、はたまた論理的思考と何か、「できる/できない」を取り除いた後に残るものとは何かを投げかけられながら、考えることなった。

その意味で、目的にかなった活動がみごとに組み込まれている研修デザインだった。

僕はこのトランプアクティビティを「クラスでもやってみたい」というよりは、僕にとっての「トランプ」とは何かを考えていた。

つまり、自分が教材化できる得意なものはなんだろう?  2年生の時に、九九を覚えやすく親しみやすく、楽しみながら覚えられるようにするために、UNOの発想を取り込んだカードゲーム「九九脳」開発した。でもその後の教材開発は続かなかった。

井本さん曰く、「おもしろい教材は子どもが考えてくれる」とのこと。数学的な特徴をもつ問題を子どもに与えておけば、自然と子どもは遊びを拡張していく。

勝手にルールをつくったり、自分たちルールで遊び始める。これをつぶさに拾い上げるのだ。ここにアンテナが立つかどうかは、やはりこれまでの教師が教材に対する興味関心というか、ものを見る専門性が求められる。

もしそれがあれば、子どものやろうとしていることややりたいことを拾いやすく、見つけやすく、言語化されやすくなる。こうして「先生が」考えた教材から、「○○さんが」考えた教材へと広がりを増し、子どもたちの中に共有されていく。

遊びが広がる、子どもたちが勝手にルールを考え始められるような拡張性の高い数学的ゲームを授業で扱えるようになるにはどうしたらよいのだろうか。

この子どもも数学的な問題を扱いながらもそのルールを広げてくれる問題「やわらかい良問」とよびたい。僕がこれまで扱ってきた良問はどうしても、条件文を変えるとか、求答文を変えるといったような授業の作法のようなものが強かった。もっと根源的に、楽しい、遊びたい、原動力で「こうなったらどうなるんだろう?」「やってみたいな」「やってみようよ」となるような「やわらかい教材」を用意してあげたい。

そして、その柔らかい良問をトランプやカードゲーム、ものを使ったりするようなフィジカルに遊べる数学的なものを開発できるといい。それによって、できる/できない算数数学を越えて、うっかり考えてしまっている、地頭が育っていくのだろう。

まずは井本さんにならって、トランプゲームから始めてみようかと思う。ヒントはPAとかのアクティビティのルール設定をヒントにしながらやったら、おもしろいのがおもいつきそうだ。この冬休み2〜3ゲーム考えて、子どもたちとゲームを拡張していきたい。どなたか一緒に教材開発してみませんか? こういうのはたくさんの人数でわいわいやったほうが盛り上がりそうだし。

そんなヒントをもらった貴重な午前中だった。


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