この論理問題とけますか? 2つできたら天才!

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毎回、数学者の時間に向けた「良問」を選ぶ、見つける、つくるときは、けっこう苦労している。だから『数学者の時間・良問集』をつくったら跳ぶように売れそうだ笑。というか僕が今、ほしい。

良問を選ぶとき、子どもたちの実態、今やっている単元との関連、問題の特徴や難易度、さまざまな要素を考えながら、「これは」と思える問題を選ぶ。

この準備時間も案外、楽しい。「あの子はこんな反応するだろうな」「こんなところで食い付いてくるだろうな」いろいろ想像が生まれて、どんな準備したらよいかと思案しているときは楽しい(ちなみにこの準備は比較的、勤務時間内にできているのが嬉しい職場環境だ)。

今回は『この数学パズル解けますか?』から論理問題を選んだ(たいていの数学的特徴をもつパズル問題はこの本に網羅されている)。しかし、解き始めてみると、小学生が初見で説くにはあまりにも要素が複雑すぎて難しい。

そこで、論理問題を子ども向けにアレンジされているよいテキスト『アインシュタイン式子供の論理脳ドリル』を参考にしてみた。新装版がでているみたいなので購入しておこう。これまでずいぶんと使わせてもらってきた良書。しかし、小学校算数では論理問題は扱うことがないので、取り上げることがこれまでなかった。イガ問として算数課題がおわった子用の発展課題として用意していたぐらいだった。

子どもたちは論理問題はヒットした。ちょうとお昼にみていた映画版コナンのつもりになって、謎解きをしている気分になれるようだ。

いつもの数学者の時間よりまして、じっくりと取り組んでいた。友だちといっしょに考えようとする子は案外少なく、しっとりとした静かな空気が教室に流れていた。

これらの問題はおしゃべりしながらできなくはないが、「自分が」納得しない限り、つまり「あぁ、そうか。」という腹落ちしないかぎり、友だちに言われたから解決して分かった気になる問題ではないのだろう。

しかし一人で解こうとするからこそ、一体どう取り組むべきかなかなか動けない子も多かった。表を書いて特殊化するにも、検討する要素が4つと多いため、その要素を並列にまとめてしまい混乱してしまう。そこで今回は、取り組み5分ほどしたらミニ・レッスンで、論理問題を解く際の、全体の足場かけを行うこととした。

・項目ごとに分けて表に整理すること(既習の特殊化)

・「もし〜だったら?」の可能性を考えてみて検証すること(新しい特殊化)

この問題は、条件④と条件⑧でまず確実に表がうまる。次に、⑪の「もし〜だったら?」の場合を検証してみると(このあたりから思考の負荷が高くなり、思考体力がためされる。しかしまたそれがおもしろくなり「ときたい!」に変わってくる)、共通した条件③に気付くと、一気に表が埋まる仕組みとなっている。

読んだだけでは分からないので、ぜひやってみてほしい。解いてみた人にしか届かない、この瞬間の「あぁ!」といった快感を覚えるはず。

ここまで足場を固めておくと、子どもたちは約半数以上の子たちがすいすいと解決にまでいたってしまった。そして、本丸の『この数学パズル解けますか?』の「しまうまのパズル」へ。

これは、ほんとに難しい。慎重に条件を繰り返し確認しないととけない。できなくていいとおもっているぐらいだ。

お弁当を食べているときに、隣のクラスの子が「できた!」と僕の机にその解答をたたきつけてきた。おぬし、やるな。こうして、ずるずると僕のおもわくにはまりこんでいく子たちが増え、ぼくはほくそ笑む。

日々の授業って楽しい。

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