4つの知識とは ラーニング・コンパス数学2023を読んで②

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ラーニング・コンパス数学2023を読み進めてみると、ちょうど3章「教育の目標」のところがとくにおもしろかった。その中でも知識を4つに分類しているところに興味がわいたので気になったところをメモしておく。

  • 学問的知識(Disciplinary Knowledge)
  • 学際的知識(Interdisciplinary Knowledge)
  • 認識に関する知識(Epistemic Knowledge)
  • 手続き的知識(Procedural Knowledge)

学問的知識(Disciplinary Knowledge)

これは特定の分野における、特定の知識をさす。算数数学における基礎となる教科内容としての知識。この知識は、学習者が他のタイプの知識を発展させるための基盤となり、教育のカリキュラム設計において重要な要素となる。日本では特にここの系統性がよく整理されている。それだけに、いかにこの学問的知識以外の知識をバランスするかが日本の数学教育の大きな課題だと考えている。

学際的知識(Interdisciplinary Knowledge)

多くの学問分野にまたがる概念やアイデアの転移、およびそのつながりを理解する知識のこと。最近でいう教科横断型の「探究」学習がこれにあたるだろう。例えば、フィボナッチ数列と自然界のパターン(0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, …)は、植物の葉の配列、花びらの数、果物の種の配置など、自然界の様々な形態に現れる。学習者は、これらの自然界のパターンを観察し、数学的な概念を学ぶことができるだろう。

認識に関する知識(Epistemic Knowledge):

「認識に関する知識」とは、科学においてどのように知識が構築されるかを理解するために必要な知識です。科学においては、問いを立て、観察し、理論を構築し、仮説を立て、モデルを作成し、論理的な議論を行うことで、信頼できる知識を構築していきます。また、専門家同士の相互評価が重要であり、科学的な知識構築において不可欠な概念や特性を理解することも重要です。つまり、「認識に関する知識」は、科学的な知識を構築するために必要な考え方やプロセスを理解するための知識です。

塩瀬隆之, 後藤崇志, 加納圭 科学的リテラシーに必要な認識に関する知識をどのように評価するか P.61 参照

わかったようで、よくわからない。そこでいろいろ調べてみたがどうも具体例をあげて理解するところまでにならない。ラーニング・コンパス数学2023には、「数学者と統計学者がどのように数学的知識を学び、発展させるかということ」「表現し伝える、視覚化する、データのパターンを特定する」などと記載されていたが、知識を獲得するプロセスのことなのだろうか。もしそうだとしたら、その方法は以下に述べる「手続き的知識」のプロセスとどう異なるのか。また、これらは上で挙げた「学術的知識」の概念とどう異なるのか。

はてはて。どなたか算数数学において、認識に関する知識とはどのようなものなのか、よい例を教えてほしい。

手続き的知識(Procedural Knowledge)

計算のアルゴリズムや問題解決のプロセスといった、ものの使い方やノウハウなど、行為に関する知識を指す。「分かる」というよりは練習によって身体化された「できる」といった表現だろう。いわゆる日本でいう「技能」にあたるのか。

ただおもしろいのは、このラーニング・コンパス数学2023では、システム思考の一環として数学的に考えることが挙げられていた。こういう視点はとてもいいなと思う。すべては部分をこえた全体とのつながりの中にいかに考えられるか。

おぼろげながら少しずつ書かれていることが理解されはじめてきた。また細々と読んでいこうと思う。

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