算数の個別指導と数学者の時間の個別指導ってどうちがうの?

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今朝の数学者の時間ミーティングでダイジから話題にあがった「算数の個別指導と数学者の時間の個別指導のちがい」がかなり面白いなと思いました。

同じ個別指導といっても明らかにちがう。はて、どこだろう。

どちらも1on1の同じ形成的評価にちがいありませんが、決定的にちがうところがあります。

一斉指導における算数授業における個別指導(最近では、一斉指導もかなり少なくなってきたのでは?)は教師にとっての確認の意味が大きい。個別指導は、そこまでの授業展開を理解しているのかを一人ひとりの進度や理解を確かめ、教えるためでもあります。

★筑波付属小の授業をみていると、それを全体の中で発表しあったりして、一人のつまずきを全体に返して、取りこぼさないように慎重に授業をすすめる高度な技術がみてとれます。

一方で、ワークショップにおける数学者の時間も同じく、個別指導(この場合は個別カンファランスと呼んでいます)も一人ひとりの進度や理解確かめる為でもあります。

けれども決定的に異なることは、前者の一斉指導における算数授業は「教師にとっての」教えたいねらいにそって個別に相談が展開される一方で、数学者の時間ワークショップでは「学習者にとっての」やりたいこと、考えてみたいことや解法を実現できるためのコーチングのようなものです。

★数学者の時間のカンファランスでは、「目標と現在地」「次に進みたいところのゴール設定」「そのためのスキル選択肢」のアドバイスが行われています)。

一昨日の数学者の時間で、良問を解いていたとこのこと。僕が自信まんまんに子どもがつくった問題を解いて「答えをみたい人は参考にどうぞ!!」とどや顔をしていました。僕の数学者ノートには「スッキリ!」とメモまでしてあるじゃありませんか。

けど「イガせん、それ18通りじゃなくて、20通りじゃない?」と指摘されました。すると、一気に4〜5人が集まって、「どこがまちがっている?」「足りないところがあるんじゃないの?」「一緒に考えてあげるよ」と大盛り上がり。このときが一番の学びの最高瞬間学習風力が巻き起こったときでした。

その後、「一つ一つ順番に確かめていくのはいいけど、どれを数えたのかモレや重なりがでてくるから、パターンの数を書き出せた方がいいね」とぼそっと言われました。

まさに! わかっていらっしゃる! この算数・数学で問題を消費するのではなく、まさに! 数学的構造を理解していらっしゃる!

それに比べ。。。

僕の本気の間違えに最初は本気で「はずいよ!」と思ってしまったけれど、子どもたちが懸命に解き方を一緒に考えてくれてサポートしてくれました。この場合は、子どもたちが教師である僕を個別カンファランスという個別指導をしてくれ構造となりました。なんだか、すごく問題に熱中して考える時間だったし、温かく、楽しい時間でした。

個別指導って、これまで「子どもにとって」と思っていたけれど、教師としての僕と同じように、学ぼうとする人たち全員「学習者にとって」、個別指導が必要なんですね。

同じ個別指導といっても、主体が変わることで、授業の様子はこんなにも変わってくるものなのですね。

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