数学者⑩ ミニレッスン4−1 う〜んとあぁ!

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ミニレッスン(10分間)

価値のインストラクションを文字にしておく・今回は、ミニレッスン数学者の技「添え書き」の説明が長くなりそうだったのでメモを作って読むことにしました。書いてみることで「このスキルがなんのために」がさらに明確になりました。毎回のミニレッスン用の説明メモを用意するといいと思います。その際、①スキルの概要、②子どもの例★をつかったスキル価値の説明、③呼びかけの三段階ぐらいがちょうどよく、5分ぐらいで終わる。こういうことはちょっと面倒くさいかもしれないけれど、授業の節々で生きてくるので練習だとおもって積み重ねることで、授業に息を吹き込んでくれます。★これまで解いたことのある魔方陣とつなげて話しました。こういう既有知識とリンクすることは、なにげに大切だと思っています。


【問題】【計画】

ここで、3マスのときの7の組み合わせ(1+2+4しかない!)はまだナイショにしました。これは子どもが自分で発見してほしいし、そこにこそ思考体力を使う価値があるからね。

12の列に目をつけました。2マスしかないから、2つの組み合わせで12をつくるには簡単そうです。「ひたすらかきまくって考える」作戦またでた! 今回、このメモに気持ちをのせること。大事な作戦です。みがいていくと「順番にかきまくる作戦」へと進化する期待大の作戦です。最後にあらためてミニレッスンのう〜んとあぁ!を書くことの確認をしてワークタイムスタート。


ワークタイム 20分

いつもながら、ワークタイムに入って子どもたちが問題へグッと取り組む瞬間がたまらない笑。むずい。「むずい〜」と嘆いている子には、「それはむずいよねー」と、う〜んとメモしている子には、「いいねぇ、メモしている子みーつけた!」と声かけながら、クラス全体の様子を見て回りました。

2年生でも、3口の足し算の和はすぐにでてこない子もいます。やっぱ時間がかかるもんですね。すすまないんだな。ここで思考体力を使っての粘りも実は大切な力の一つです。

こういったペーパーだけのノートに書くだけ勝負の問題では、時間が経つにつれて子どもたちが落ち着かなくなってくることがあります。先生ちょっと焦る。子どもたちの集中も散るので、授業の仕切り直しをし、また穏やかに取り組める空気を作り直しました。


ワークタイム途中の共有

子どもたちはなかなか進んでいない様子だったので、一度みんなと情報交換をしてみようと、授業途中での共有を投げかけてみました。この各自の学習プロセス共有については、僕が今一番関心のあるテーマの一つです。算数数学では答えのやり方や答えの共有(確認?)はするけれど「できなかったやり方(自分が考えもしなかったやり方も含め)」については検証されにくい。実は、ここのできかったやり方の試行錯誤こそ、人が学ぶには必要であり、そこを支援していくことこそが求められるんだと考えています。


一度みんなで手を止めて「これだったらいけそう?ってのはない?」と出し合おうとしても出てきませんでした。「じゃぁ、ダメだった方法はある?」ときくと、二人の子が手を挙げてくれました。こういうときに、「まちがい」をみんなに開いてくれること、しなやかなマインドセットだなと思います。
「アのマスがなし。イに4がはいって。それだと、答えがないってことだよね」「私はためしてみたんだけど。7じゃだめ。ひたすらかくさくせんをやっている最中」といくつか、できないやり方が共有されました。

消しゴムで間違いを消してしまいたい!

できないやり方を残そうとしない子がいます。いやなことは消してしまおう。分かるなぁ、この気持ち。まちがうことに抵抗がある子に共通する点かもしれない。算数数学では、まちがいもできない方法の一つ。一歩進んだ証。これまでの算数授業でもそう繰り返してきたけれど、まだ抵抗がある様子。ここで、できなかったやり方をノートにのこしていかないと、同じ失敗を繰り返すことになっちゃうね。消しゴムで消したがる子にとっては、いい失敗になったんじゃないでしょうか。失敗やできないこともある自分も許せるようになっていく、授業を通してそういうことも育っていけるといいです。


答えを知りたがるときには

一方、答えを知りたがる子も算数には必ずでてきます。「答えさえわかればいい!次にマッハで進める!ほいほいほい」と、きっとこういう直線的で効率的な学びをしてきたのかもしれません。でも、子どもって迷路がスキですよね。答え知っているのに笑。そのゴールまでのみちのりを楽しむものこそがおもしろいのに。そういう子には、「答えの書いてある迷路ってつまらないじゃん」といいながら、「どうしても答え知りたいなら、先生の机にあるよ」と僕の数学者ノートを開いておいてあります。そうすると、「自分で解けるし!」「この問題に本当に答えがあるのかだけ知りたかったんだよ(まけおしみ感MAX)」と、くやしそうにしながらも、だれも見ようとしませんね笑


共有の時間はなし授業のこり5分になり、子どもたちに「共有の時間にする?」ときいてみると、「えええ!」「まだやるし!」と思わぬ反乱が起こりました。かわいい。ひたすら書く作戦の子はいいかんじでノートが進んでいました。でもまだできない。それだけに、スッキリとできてほしい。よし、次回も改めてこの時間をとろうと思うのです。

ひとことでもそのときの感想をのこしておくことは大切なこと。今日の「うーん」と「あぁ!」はどこまでメモできたかな。振り返ってみることにしました。みっちりと、不満!のう〜ん!やできないパターンも書き込んでいる子のノートを紹介して、終わり。さて、次も楽しみです。

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