数学者の時間④ ミニレッスン1−2 数学者の時間をはじめよう

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記録をどうとるのか?それが問題だ

やっぱり自分の授業を振り返るには動画が一番だと今のところは思います。ウソつけないからなぁ。カメラを首から提げておけるアイテムを見つけました。角度を決めればこれがとても便利。胸にぶら下げているだけで出川カメラの胸ばん。これいいかも。だれにどのくらいかかわって、どんな声をかけていることが分かります。角度を調整すれば、子どもたちの視線が合うので、しばらくはこれを使って、授業の振り返りをしていこうと思います。


数学者の時間のいいとこ

子どもの様子によって柔軟に授業案を変えられるところ。今日は、前回、終わらなかった3方陣問題を解く続きから。最初に「数学者の時間とは?」の再確認。さらに「数学者は?」の答えに「試し、振り返って、相談しながら、考えることを楽しむ」ことの確認。このあたりは言葉だけのため、今後、実感や体験を通して積み上げていけるといいところです。そして、前回の問題。求めること、分かっていること、使えそうなことを出し合いました。残りの時間はたっぷりと解く時間を30分間、割り当てられました。

カンファランスのアンテナにかかる子

子どもたちが問題解決しようと活動しているとき(ワークタイム)、個別に入ろうかと思ったけど、まだ全体の様子をぐるぐるまわることにしました。いつもまわるコースは決めています。黒板の前からだいたい右回り。この時間は、それぞれがいろんな場所にいって机が勝手に移動しているのですが、いつも通り右回りでぐるぐると。動画を見直してみると、5週ぐらいしているかも。


カンファランスのアンテナにかかる子こういう机間巡視しているときに、アンテナにかかる子の視点がいくつかあるなぁと思います。

・たくさんノートに軌跡を残している子。どんなことやっているのか、純粋に興味がわいてきます。多少、うるさくたってできることに夢中になっているようなら、今はそっとしてる判断をしている自分がいました。勢いが大切。


・まったく進んでいないでスタックしている子/楽しそうにはやっているけれど、進まない子。どこまで先生と一緒に考えたらいいのかな? 余計なお世話なのかな? と、毎回迷ってしまうことがありますが「どんなかんじ?」と声をかけていることが多いかな。様子によっては様子を見ていることもあります。

・すでに今回の問題が終わってしまい次に手持ち無沙汰になっている子。 次の問題へ4方陣、円方陣へ投げかけていきました。このあたりは、指示を改めてていねいにだしていけば簡単に済んでしまうこと。

・吹き出し用のキャラクターを書くことに夢中になってしまっている子。あるあるですね。こういった「やってみたかった/そこにしか目がいかなかった」失敗も含め、回り道しながらも積み重ねていくことは案外、後になってからじわじわと効いてきます。何事も最初から指示や手を打ってしまって教室内を無菌状態にしてしまわないこと。いろんなトラブルにこそ意味があるんでしょうね。

・メモしようとしていない子。これまで、自分がそういう授業してこなかったって、鏡。試行錯誤をのこして、振り返って、それを材料とするような学びのよさをこれまでの算数授業でできていなかったって反省でもあります。

とうことを度外視してみることも大切。つまり、平等に定期的に個別にカンファランスにはいることは、やっぱり必要で、つまずきに応じたりでカンファしている限りだと、そこが不平等になってしまいかねません。このあたり、しばらくまた考えていこうと思います。

自由だからこそ起こるトラブル

ワークタイム中に、急に大喜びしている少年が二人。どうもスッキリ解けたみたいで歓喜していた様子。そこに「みせて〜」と嬉しそうによってくる子。すかさず「だめだよ!」との応酬。そこでトラブル勃発。こういったやりとりは子どもたちには案外あるもの。すると、またそれぞれの持ち場に帰って、コツコツとそれぞれの課題に取り組み始めているようでした。

子どもたちに任せる時間があると、こういった一斉指導できっちりと管理された時間にはないかかわりやトラブルが必ず生まれます。でもこれを封殺してはいけないと思っています。もちろん派手にトラブルすることを前提とはしていませんが。これまで一斉指導で落ち着いていた子はこういった時間に、より自分らしさが出てきます。いい面、わるい面どちらとも。その自分らしさと相手の自分らしさは時にぶつかることがあります。こういったことを、すりあわせしながら出ないと一つの学習チームにはなっていかないかと思います。

教室はトラブルの宝庫。そして、人は変われる力があります。少しばかりのトラブルには目をつむりつつ、その場には、いつでも相談できる先生や友達がいる安心安全があることを土台に、ピンチをチャンスにそだてていけるといいです。

「共有の時間」も練習が必要

どんな解き方ができたかな? 二人の子だちに出てきてもらいました。ちょっと、机を移動しているので落ち着くのを待ちました。こういうのも実は大事な空気作りの一つ。「最初、どこからやったの?」ここでようやく子どもの口から「7からやった」と出てきました。すると聞いている子達から「同じだ!」「あ!同じだ!」と声が漏れ聞こえてきます。7の組み合わせは、7+5+3と7+2+6の2パターンしかありません。

ワークタイムでの子どもたちの様子をみていると、ヒントになる7をなかなか使おうとする子がいなようでした。2年生の発達段階に共通することかもしれないなとおもうんだけど、なかなかメタ認知して言語化することへ意識がいきにくい。この辺りは、無理に推し進めるよりは経験を積んで、「自分で発見する/自分で言葉にする」楽しさを続けていくことのほうが、価値があるなと思います。

さて、共有の時間。子どもはいとも簡単に5をマスの中央に置きました。うーん。「3もあるじゃん!」とても突っ込みたい!けれども、特に質問もでてこなく進んで行ってしまいました。子どもたちは、次は上の段と下の段、さすがにそれは、ちょっと無理があったのかもしれないな。解けるかもしれないけれど、説明が難しいのかも。実際に手を使って、動かすほうがふさわしいのかもしれません。最初なので、あまり数学的なものに没入するよりも、といた道筋をすんなり説明してもらった方がよいのかもしれません。けれども、下の段から計算した方が、「7は決まっているから」と説明してくれる子がでてきました。そこでの組み合わせがのこりの一つ。何かをやるには訳がある。これを活かせるとよかったな。分かっているところから進める作戦ね。足し算の入れ替え問題もでてくるね。工夫して計算する。最後にナナメを計算すると、他もするするとでてきてしまう。おお!中には、逆パターンもある!入れ替わっていることに気付く場面となりました。答えはひっくりかえしも含めて、2パターン。ぜひやってみてください。

「いや他にもある!」って、前に出てきて説明する子も。「だめだ〜!」とできそうでできないことを確認。間違っていたけれど、それもOK。いいじゃん、自分のやり方を伝えたいって。拍手して終わり。僕はこの一斉でみんなで共有している時間がとてもスキです。バラバラではない。なんでだろう。個々であるほうがスキなのに。きっと、あってるまちがっているを越えて、自分の意見をすんなり言える空間がスキなのかもしれない。みんなでひとつのことを考え、話し合い、練り上げていく対話っていいなぁと思うのです。

最後は、振り返り。本来なら、問題の数学的構造への振り返り、問題の取り組みや学び方への振り返りがあるけれど、さくっと終わりにしました。

Aべんりなやりかた、Bおもしろかった、Cくやしい、Dその他

「でとけなくて悔しかった。」4×4を土日でやりたい子を投げかけて終了。
次回はまた別の問題へ。

この授業の流れは、とても安定していると思います。ミニレッスン、ワークタイム、振り返り共有。このおかげで、グループワークで生まれがちな緩みやハードルが一気に下がれいます。というよりは、そこに向かっていくために、少しずつならしていけるようになります。

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