自分にとってどんな創造的な時間だったのかな?

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学校が再開されました。この失われた3ヶ月は一体どういう意味が自分にあったんだろう? 慌ただしい中で、ちゃんとふりかえらないとするりと忘れ、失われてしまいそうです。


つくづく学校とは、人との関わりの中ではじめて成立するものだとわかりました。どんな人であれ、どこにいても、だれかとつながっていることが、励みとなるし、生きていく糧になるんだと。


その意味で、子どもたち一人ひとりとの個別メールはとても意味があったし、先生も、子どもも、保護者でさえも「つながり」を求めていました。そして、この休校中の時間を、これまでできなかった「創造的な時間」にしてほしいと学校からなげかけてきました。この部分は本校ならではのよさがでたものだとふりかえっています。漢字を進めたり、復習ドリルづけのあまり意味の感じられない、網羅するような学習とは一線を画すことができたはず。


一方、その創造的が家庭任せでなかったのかも、あらためて振り返っていく必要があります。遠隔教育では、フォローしてくれる保護者の家庭教育力の格差がでてしまいかねません。特に、医療従事者の家族にとっては、はたしてどこまでつながり、支えることができたのか。このあたりのことも、同僚と期をみてふりかえりたい大切なテーマです。


今年は研究事務局長なる役割があり、この数ヶ月を思い出すと、決して自分の仕事の範疇だけではないことにまで首をつっこんでしまったことが反省でもあります。ただし、こういった緊急事態は、気付いた人がやることが、この緊急事態をしのぐもの。これまでの指示系統が通用しせず、1週間先の社会状況も読めないとき、これまで通りのマインドセットではうまくいかないことがわかりました。

はたして、自分はどれだけ、だれがやってもいいような「草むしり」を自分の仕事として、取り組むことができたのかな。それなりに取り組んではみたものの、これまで本校が大切にしてきた民主的なプロセスだったか?といわれたら、そうとは言い切れない時間に追われる提案の日々でした。

こういったときに、やってもらってあたりまえではなく、「ご苦労さん」「ありがとね」と自然と声をきけると、なんともまあ単純で、またがんばってみようかなと思えてしまう自分がいます。

さて、果たしてこの3ヶ月間、自分の過ごし方が創造的な時間だったのでしょうか? 

思いつく限りのことをあげてみると、新聞の連載を書き上げたこと、イタリア料理の研究をはじめたこと、そして、全国の先生達とフェイスブック上で探究自学ノートの研究をスタートさせたこと。遊び心をテーマにシーズン2を向かえ、残すことあと1週間となりました。zoomをつかった学習サークルの運営方法にもあるていど手応えをもつことができました。


僕にとっては、この探究自学ノート(TQJ)のメンバーで毎週火曜日と金曜日の夜、zoomを使って日付が変わる時間までいろんな教育話やどうでもいい話ができたことが、なによりも「創造的な時間」でした。クリティカルな気づきは、話し尽くされた深夜に訪れることもおもしろい見地でした。

ここでは自分だけでつくれるものは、案外たかがしれているものです。人のアイディアや人とのつながりをいかしながら、共に考え、もがいて、悩んで、形にしていく探究の学び。zoomの共有会議だけではなく、その間のグループ間でのやりとりも刺激的で、オンライン学習とは一体なんだったのか? も自分なりに検討することができました。


人とのつながりは大事だな。と、素直におもいます。それが、この分断された社会状況だからこそ実感できました。


まだまだ、このコロナ対応で人とのつながりを分断するような新しい生活様式はつづいていきます。一方、その中でもできることを見つけてやっていこうと、思いを新たにしました。


ただ、なによりもくやまれるのは、昨年度の大スキだった子どもたちとの授業じまいができなかったこと。美しい算数アドベンチャー。2年越しの取り組みだっただけにそれぞれが追求した算数の美しさのプレゼンをみられなかったのが、本当に悔やまれます。あの子達だけ、留年にして一緒に学びたいぐらいです笑。

今年は、2年生の教室を任されました。2年生の子どもたちとzoomでつながっているときの顔は本当にいきいきしていて、かわいいものです。いろんな不安を抱えている子もいるはずです。この失った3ヶ月のをとりもどせるかわかりません。それでも、また今年も笑いながら取り組むのがいいなと思います。

最後にいい詩をみつけました。

楽しさとは、

あなたの学んだことによってもたらされる心のありようだ。

学ぶとは、

このような楽しさを経験するとば口を、

くぐろうとすることだ。

楽しさなくして 学びなし。

学びなくして 楽しさなし。

ワン・ケン『喜びの歌』
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