数学者の時間 子どもの思考は力わざだ

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三学期も始まり、落ち着いた日常がもどってきました。久しぶりの数学者の時間は、トピック問題でクラスの子からもらった年賀状問題から。最近、子どもたちからの年賀状はオリジナル問題を送りつけられてきます。それもまたよし。

これはなかなか頭をひねる問題でした。しかもうっかりミスも問題の中にあり、さらに難易度を増していました。ならばこれを授業で使わない手はないな、とさっそくみんなで解いてみることに。


二学期の復習もあり、問題解決のサイクルの「問題」「計画」「解決」「ふり返り」を忘れずに〜と声がけしました。「そうだそうだ。思い出した」などといいながら、数学者ノートに、計画を立てて取り組みはじめました。

改めて思うけど、こういうこれまで解いたことのない未知の問題は、解決の見通しとして「使えそうなこと」は最初は当てずっぽうでしかない。解き進めていくうちに少しずつ勘所がわかってきて、解法の見通しがたってくる。それでいいと思うし、そうでなければ、「教科書のように前時のアイディア使えさえすれば解決の見通しが立てられちゃう」思考から抜け出せないだろうな、そんなことを感じました。

二学期に学んだ「計算のきまり」を使っての問題。答えを組み合わせると、なんかの言葉ができるとか。多くの子たちはまずはためしに自分ひとりで考えたいと取り組んでいました。しばらくして、思い思いに立ち歩きはじめ、年賀状の送り主に「ヒントちょうだい!」ってすりすりしていました笑。

四則計算は解けるけど、その数字を使って「言葉をみつける」段階がわからない。だれもが頭を悩ませていました。すると、その答えを「きっと言葉は、イガせんことしもよろしくだな!」と無理やり推論してみて、その解答にあてはまるような50音暗号の組み合わせ試し始める子が増えてきました。このときがこの時間のハイライトでした。まさにアブダクション(推論のひとつで仮説思考。シャーロックホームズはこういった思考が得意ですね)! 強引な解決にみえるけど、すごい力業の論理的思考。じっくりとあきらめない思考体力だけでなく、瞬発力ある思考力がすばらしい。

余談だけど、このアブダクション(という言葉は使っていなかったけど)と同じことを、国語教育でもだいじだねって、内田樹さんがブログに書いていました。長いけど、人がどう育つってことはとても示唆に富んでいる指摘です。
アブダクションの本ではこの本がとてもおすすめ! 帰納・演繹をていねいに整理されています。

その後、じわじわと答えをだそうと広がりつつありました。が、ここでタイムアップ。後でノートを見てみると2〜3人が解けていました。「もっとやりたいー!」「ひさびさに頭つかったー」と三学期1発目の数学者の時間が終わりました。

次の時間はいよいよ数学的思考ミニレッスン10のまとめへ。そして、問題解決のサイクルを使った探究学習の算数アドベンチャーがはじまります。

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