『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』3章 学習環境

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この脳科学からみる学びの原則を見なおすだけでも価値ある章でした。

1.能力は変化しやすい
2.脳には可鍛(かたん)性がある
3.脳は意味を強く求めている
4.人間は適度のチャレンジがあるときに一番よく学ぶ



しなやかマインドセットやフロー理論だけじゃなくて、これまでの自分の経験からも納得できるリスト。

 

 

そして、一番胸に響いたのは、みんなおんなじ、平等への「思い込み」を突きつけられたことです。やっぱり1人ひとり違う。教科書に単元を全員がおんなじタイミングで終わらせることを、テストで同じように点をとることを、どこかでやっぱり願っていました。ワークショップ授業を続けてくる中で、少しはましになったけど…。

なにがオイラにそう思わせているのかなぁって。

たぶん3つあって、メンタルモデルとカリキュラムと教育理念だと思う。

これまで小学校時代から12年以上にわたって授業とはこういうもの、学習者とはこういうものという、みんなおんなじ用にあつかわれることで「すりこまれて」きたんだろうな。一斉同時タイミング授業の教育モデルを繰り返し体験してきたんだよね。そこから一歩抜け出すのはとても難しく、自分の歴史に大きく影響されちゃう。そんなメンタルモデルがあるんだなぁ。

また、これまでのカリキュラムが一定によくできていて、系統性や発達段階を踏まえられている。だからこそ、そこに盲目的になってしまうんじゃないかな。一人ひとりみると、みんなちがうのに。そして、ひとりひとりの違いをいかしていこうとするには、「個別の支援計画をつくれること」「学習者を継続して理解し続けること(形成的評価)」「その計画を実践にうつせること」といった、教師の技量も試されると同時に、保護者・管理職へのアカウンタビリティもともない、かなり高度な世渡りを要求されてくる。

だったら、このままでもいいもんねー。子ども達の平均値に焦点を当て続けたって、なんら波風たたないし。今年だけ目をつむればすむこと。という1年ポッキリの無責任さが浸食してくるんだろうな。

ここを乗り越えていくのが、自分がどうして先生でありつづけるのか?って教育理念に立ち返れるか。何のために先生やってんの?ってこと。

きっと、こういう1人ひとりをいかす教室実践の初動はすごく大変だろう。でも、動き始めてしまうとすんごくスムーズにいくんだろうね。まわりの協力や理解も得ながら。いつしかそれがあたりまえになると、めんどくさいがなくなって、1人ひとりにフォーカスし続けることが自然となるんだろうねぇ。自分の教室をふりかえってみても、そのピース、ピースはありそう。あとは覚悟なんだろうな。

そんなことを突きつけられた骨太の章でした。ご一読あれ。

教えることと学ぶことに関する現時点での4つの視点

1.能力は変化しやすい
①異なる方法で考え、学び、創造する。
②潜在能力を引き出すのは「何を学ぶのか」「自分の得意な能力を使えるか」
③学習者には多様な能力を引き出し、発展させるための機会が必要

2.脳には可鍛(かたん)性がある
・脳は筋肉。ニューロンは使われれば使うほど。使わないと退化。

3.脳は意味を強く求めている
・パターン、概念を塊として学ぶと、記憶定着に効率的。
・すでに知っていることにからめて新しいことを学ぶといい。
・自分の生き方、感情に関連するとき、意味がみいだせる
・生徒の意味作りを活発にさせるカリキュラムづくり。
・時間、複雑さ、本物の学びに参加。
①教える概念、原則、スキルを明確にする
②学習ニーズを熟知
③ニーズを使って既知と学ぶことに関連づける。

4. 人間は適度のチャレンジがあるときに一番よく学ぶ
★フロー理論もそう。読書レベルもそう。
・継続するには努力が必要。良い結果が得られることを知っていること。
・チャレンジレベルは日によって変わる。

教えている生徒のことについて考える
・公平さと優秀さを求めて努力する
・レディネス・興味関心・学習履歴をいかす
3つの弱点
①問題を抱えた生徒を段階的に発展させていかないと、長期的な成功体験はえられない。★つまり、教師の形成的は関わり方の力量に左右されてしまう。
②浮きこぼれの話。他に教える★これ学び合いにある問題。平均的な生徒を対象としたカリキュラム
③学年ごとの到達基準はだれにとっても恩恵を受けるものという前提。平均的な生徒に焦点を当てた授業。★これが北海道から沖縄までおこなわれていることにまずは価値があるのがこれまでだったんだな。
・私たちが知っていることとやっていることのギャップ
・思い込み。課題を同じ時に終わらせられるとベスト。
★確かに!既知をレディネスを有効に授業にいかすことはハッティもいってたのに。
・テストで測られる学力に焦点をあてればあてるほど、暗記と理解力へ。人生よりもテストのための準備。

P55『ようこそ、1人ひとりをいかす教室へ 違いを力に変える学び方・教え方』3章なぜ同じ学年の生徒は学び方が「同じ」と思い込んでいるのでしょうか?生徒が私たちのクラスに全く同じスキル、知識、態度、思考の習慣、強み、傾向、やる気、自信、サポート体制、学校に対する見方などを持ってやってくると言う証拠はあるのでしょうか?そしてそれらの証拠もなしに、生徒が全て同じ内容を同じような方法と同じスピードで教えることを私たちが受け入れてしまうのはどうしてなのでしょうか?生徒が同じ大きさの靴を履き、同じ量の食事をとり、同じ睡眠時間が必要だと言うのがおかしいことがわかっているにもかかわらず、です。これらの質問に対してどう答えるかということが、教えることと学ぶことについて私たちがどう考え、そしてそれを踏まえてどう計画し、どう実践するかなど広範囲にわたる影響を及ぼします。★あぁ、ひびく。

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