2024年 10月 の投稿一覧

中動態でかわる、子どもの理解やとらえ

先日、「これって、中動態じゃないですか?」「幼稚園の実践をぜひ読んでほしい」と勧められ、その記録を読ませてもらった。それは保護者と共有するためのもので、ある幼児が雲底で挑戦したい技を見つけ、それがいつの間にか周りにいた子どもたちにも浸透していった実践記録だった。やがて「私とみんな」の境目が失われ、ふとした瞬間にまた「雲底をしている私」に戻る場面が描かれていた。その文体は非常に柔らかく、子どもの姿を鮮やかに捉えていて、読むだけで清々しい気持ちになれた。

中動態を学ぶことで、これまで見てきた子どもの姿に、これまでには見えなかった、または何となく見えてはいたけれど、うまく言語化できずに腹落ちしていなかったことに、たびたび出くわすようになれた。これは幼稚園でのいきいきとした遊びの実践に限らず、教室で日々起こる問題の数々についても、同様に見落としていた部分が見えるようになってきたと感じている。

教室でのトラブルもその一つである。子どもたちは日々、さまざまな失敗やトラブルを起こすが、これも大切な学びの場面である。叱られたり、考え合ったりする中で学んでいくことではあるが、決して問題を封じ込めてゼロにするべきことではない。

友だちとケンカしたり、物をなくしたり、忘れ物が多かったりといったことは、多くの場合、その子の責任として教え諭されたり指導される。でも、「中動態メガネ」の視点で見ると、その問題をその子一人にだけ背負わせるべきではないケースも多く見受けられる。教室環境や友だち関係、教師との関係、さらには家庭の影響など、さまざまな要因が絡み合って今の問題が生じていることがある。教育現場にいると、こうした多面的に見なければならない問題があることを痛感する。

確かに、こういった問題は、その子一人の責任だけでなく、関わる全ての人が「ゆるやかな・弱い責任」を持っていると気づかされる。だからこそ、集団の中で、「自分にもできることがある」「いっしょに改善できることがある」と一人一人が感じられるような共同の場を築くことが大切だと考えられるようになってくる。

中動態を学ぶことで、子どもが遊んでいる時や問題行動を起こした時の「捉え方や理解の仕方」そのものが変わってくるのをしみじみと感じている。

中動態について、『中動態の世界』の著者である國分功一郎さんとともに、今の教育現場を見つめ直す学びの場が開催されます。今日や明日にすぐ役立つものではないかもしれませんが、子どもの見方や教育の捉え方をじっくりと醸成する「中動態の視点」を、一緒に学んでみませんか。現在、参加者募集中です!

https://www.kokuchpro.com/event/4317e3efcba7240ec09eef46a8cc0775/

教師をこえていく子ども

新学期が始まり、慌ただしく1ヵ月間が過ぎてしまった。運動会も無事に終わり、この二日間は久しぶりに家でゆっくり過ごすことができた。これまで気になっていたことをやったり、家事をやったり、日々のメンテナンスをしたり、少しずつ自分を取り戻せるような丁寧な時間が戻ってきた。このペースでじっくりと2学期の歩みをすすめられるといいなぁ。

以前、担任した子どもから連絡をもらった。子どもといってもその子はもう来年から社会人。教員採用試験に合格したので、教壇に立つとのこと。

今の教育現場は大変なこともきっと知っているだろうし、その中で「あえて」学校の先生になってくれることは本当に嬉しい。どんな先生になるのかとても楽しみでしかない。

その子のことを思い出してみると自主学習もしっかりやっていたしっかりものの女の子だった。多分ちょうど自主学習ノートの本が出版したときの頃の子どもたちだったと思うから、もう12年以上も前のことだ。

久しぶりに、その当時の子どもたちのことを思い出してみた。いくつか通信もでてきたけれど、あまりにも恥ずかしすぎてヤバい! よくあけっぴろげに、思ったままに通信を書いていたことか! 読むに耐えず閉じてしまった笑。

けれども、等身大で子どもたちと関わっていたあの頃の自分を思い出してきて、なんだかやっぱりこの仕事っていい仕事だなって、大事なことを思い出させてもらった。

僕は今、どうして先生しているんだろう?

当時は子どもが好きで、管理職にバレないように、楽しいことばかり考えていた。勉強とかそっちのけだった。よく屋上でこっそりと遊んだ。屋上という場所は格好の遊び場だった。みんなで座布団もって昼寝もしたり、スイカ割りもしたり、雪合戦もした。楽しかったな。

あの頃に比べるとなんと今はマジメでツマラナイ先生になってしまっていることか。。。

とはいうものの、子どもたちには、どんどん伸びていってほしいなと思っている。教師としての自分を軽々と越えていってほしい。教師をやっていて、これにまさることはないなぁと思う。越えていくタイミングは人それぞれだけれども、1年の時もあるし、それが12年経ってからのこともあるから、この先生って仕事はおもしろいなぁと思ってしまう。

SNSのおかげもあってか、「先生になりました」という連絡を毎年もらえるようになった。何か、僕が何か影響を与えたことはないと思っている。でも、先生って仕事は悪い仕事じゃないんだということが伝わってると思うと、まんざら悪い先生でもなさそうかな。

はてはて。あと何年、こうやって子どもたちと一緒に学校していられるのかなぁとふと思う。

最近、DELLの27インチモニターを買ったら、作業効率爆上がりになって、ますますモニター時間が増えてしまいました笑。ガジェット大スキ。