OECDからPISAテストの結果報告されたことを今朝の新聞で知った。実は「何位」とかあまり興味がわかなかった。それよりも、「何を」育てたいのか、「何が」育っているのかが知りたい。
数学的リテラシー問題で例題ものっていたので、さっそく算数授業で取り扱ってみようと思う。15歳向けの問題だったが、十分5年生でも解ける問題もあった。
ちょうど今、OECD関連の本をじっくり読んでいたので僕にとってはキャッチーな話題だったので嬉しい。ようやく手元にこの本が届いて、気になっていた知識についてじっくりと読むことができた。そしてこれまで取り組んできた数学者の時間に納得できたことがあった。なんだかんだ言っても、こういう地味な読書や学習が学問の土台をつくると信じている。
それは、数学者の時間で取り組んでいる良問を解く時間は、「③エピステミックな知識」の育成に役立っていることだとわかった。本物の数学者のように、数学者が使う「見方・考え方」あまりこの言葉は好きじゃないけど、いうなら数学メガネを使って、その科学がもつ特性をいかしたものの見方や考え方を使っている。問題解決プロセスや特殊化や一般化などの数学的思考もそれにあたるだろう。
また、数学者の時間で数学探究しているときは、「②教科横断型の知識」を使っている。教科書やテキスト教材を使うときは、「①教科の知識」をしっかりと土台として学習している。
多くの国がもっている課題に、カリキュラムオーバーロード、教えすぎがある。そのバランスをとろうと、②教科横断型の知識や、③エピステミックな知識を授業の中に取り入れようとしていた。
これをすでに10年前から学校現場で、算数数学を専門としていない小学校先生数人で試行錯誤していたこと、これはすごいことだと思う。
時代がおいついてきた笑
詳しくは以下にメモ。興味があったら本を手に取ってほしい本。ランキングに踊らされずに、何を教えたいのかが教育の目指すものが明確になっている(と思う)。とはいうものの、これも世界からみた教育のひとつの目標であって、目の前の子どもたち、自分たちの学校にとって大事なことはまた別に数多く存在することを忘れてはいけないなぁ。
「エピステミックな知識」についての読書メモ P112~115
- 各教科の学問原理をどうとらえるのかという視点や考え方、手続きに関する知識。
- 各学問分野の専門的知見を有する実践家が、どのように仕事をしたり、思考したりするかということについての理解。
- EP知識を獲得すると、学習目標を見つけるようになったり、学習したことを適用することについて理解したり、教科の知識を深めることができる。
- 「○○者的に考える」各教科には学問分野に固有の考え方や原理原則(ディシプリン)がある。
- 地球温暖化問題の対応は生物学や歴史学、数学ではアプローチが異なるように。
- 科学分野における知識は3つに分類される。
- ①コンテンツの知識:科学に関する事実や概念、アイディアや理論などの伝統的な知識
- ②手続的知識:科学において用いられてきた科学的探究の基板となる実践や概念に関する知識。
- データの表現や伝え方、誤差をなくすための繰り返し測定、変数を変えてみることなど。
- ③エピステミックな知識:特定の構成概念の役割や科学の知識構築のプロセスに必要な決定的な特徴である。
- 質問や観察、理論や仮説、モデルや議論などの科学における機能についての理解、信頼できる知識を構築するためのピアレビューの役割、
- 科学的な知識がどのように形成されたのかとか、その性質や妥当性、信頼性に関する理解を含むもの
- ※これまで手続き的知識として整理されてきた。
- 生徒が学習した知識を実生活の課題と結びつけて考えられるようになることにその意義がある。真正の学びをつくる。★うーん、論に飛躍が多いな。このあたり丁寧に書いてほしい。
- 教科が現実的な課題解決にどのように役立っているか
- 数学者が物事を考えるために必要な知識とはどういうものなのか
- 深めていくためには、このような問いに答えていくことだ。
- この教科では何を学んでいるのか、またそれはなぜなのか
- この知識を、自分の生活において活用することができるのか
- 科学者だったらどう考えるのか
- 医者だったらどのような倫理にしたがっているのか
- ★○○さんだったらどう考えるのかといった、教師モデルをもうけるのと一緒。教師もひとつの専門家か。
- 獲得した知識が、現実的な課題解決に必要かどうかを理解できる。
- 未来に向けて世界をよりよくしていくためにはどうしたらよいかについても、よりよく知ることができる。
