「ラーニング・コンパス数学2023」の第三章は読み応えのある教師として一番しりたいところだった。僕の英語能力に限りがあるので意味理解が確かとはいえないかもしれないことを先にお断りを。
3章は「より広範な教育目標の必要性:個人と集団の幸福」
もうタイトルがすてきじゃないか。個人における能力をこえてどういう社会を望んでいるのか、そこまでの射程がいい。内容もとてもロジックツリーの構造となっていて、分かりやすいものだった。目次だけでも記録しておく。
これを眺めるだけでも、リテラシーや数字能力、デジタルリテタリー、健康や感情のとりあつかいが、育てるそのねっこにあることがわかる。
その土台の上に、社会改革する力、一つではなく知識、スキル、価値観を組み合わせた複合的な能力がのっかってくる。
なるほどー、こういう構造になっていることがわかるだけでも、「どんな力を育てたいのか」その全容がおぼろげながら見えてくる。
力を伸ばすための教育。これにはまだちょっと違和感もある。新自由主義的に能力が高ければ高いほどより幸せになれるみたいなのは幻想だと思う。身につけたその力を、どう弱者とわけあい、支え合えるのか、そういう思想があっての能力のはず。このあたりのことをどう解消されていくのか、まだ僕は一読では理解はできていないから、しばらくまた考えることになりそう。
参考までに第3章「より広範な教育目標の必要性:個人と集団の幸福」の目次を。
- 3.1.学生の主体性:複雑で不確実な世界をナビゲートする
- 3.2.コアの基礎
- 3.2.1. リテラシー
- 3.2.2 数字能力
- 3.2.3.情報活用を含むデータ・リテラシー
- 3.2.4.デジタル・リテラシー
- 3.2.5.健康、社会性と情動の基盤
- 3.3.社会を変革し、未来を形作る変革的能力
- 3.4.複合コンピテンシー
- 3.5.知識
- 3.5.1学問的知識(Disciplinary Knowledge):
- 3.5.2学際的知識(Interdisciplinary Knowledge):
- 3.5.3認識に関する知識(Epistemic Knowledge):
- 3.5.4手続き的知識(Procedural Knowledge):
- 3.6. スキル
- 3.6.1.問題解決
- 3.6.2.クリティカル・シンキング
- 3.6.3. 創造性
- 3.6.4. コミュニケーション
- 3.6.5.自己管理、学ぶための学習(エージェンシーとの連携)
- 3.7.態度と価値観
僕なりにまとめてみると、こんなかんじかな。
OECDラーニング・コンパスは、経済的、社会的、教育的平等を推進するための幸福の重要性を強調している。教育の目的は、学習者が社会に貢献し、社会から利益を受けるための知識、技能、態度、価値観を育成するものである。これには、問題解決能力の育成や、他者への積極的で創造的な責任をもった対応ができ、社会との関わりを強化する能力の獲得が含まれる。
OECD (2023[1] ), “OECD Future of Education and Skills 2030: Learning Compass 2030″の3章を参考にまとめたもの
https://issuu.com/oecd.publishing/docs/e2030-learning_compass_2030-concept_notes?fr=xKAE9_zU1NQ (accessed 25 Sep 2023)
つづく