「数学者の時間」では、それぞれの興味関心をもっと広げられる「数学探究」を計画している。今朝の数学者ミーティングでは、宿題にしていた日常にある算数・数学を紹介しあった。
- 予算と場所を決めての旅行計画づくり
- お手伝いから稼ぐ子どものお小遣いの稼ぎ方
- 太陽の高さと影と図形(影の多くは平行四辺形になることが多いが、ある一点だけ長方形になるときがある!)
- ドブルカードからカードゲームづくり
などなど、僕ひとりではおもい付かないようなおもしろいアイディアが語られた。そのどれもが、いわゆる学術的知識を使って、学際的知識を活かせる探究にふさわしそうだ。
僕は最近、読んでいた本から探究の入り口づくりを紹介した。
Tracy Zager「Becoming the Math Teacher You Wish You’d Had」
「この写真からどんな質問がおもいつきますか?」★一枚のオレオの写真から、思いつく限りの質問をたくさん挙げあった。

★著者はこの写真はダン・メイヤーのブログからヒントを得たもの。ダンメイヤーといえば一時、TEDトークで話題となっていた人だ。
算数・数学がいざ授業になると、自分で質問し、自分で問題を提起し、自分でアイデアを出し、自分で観察し、自分その見つけたパターンや理論を試すことはほとんどなくなってしまう。
このような学習を何年もつづけていると、中学生になる頃にはかつての好奇心は枯れてしまい、みごとなまでの受動的で無気力な「数学ぎらい」が誕生してしまう。
この質問づくりでは、まちがえはないし、よかったら探究の種にもなりそうだ。ぜひ、授業のウォーミングアップにもいれていきたいほど。続けていくことで「いい質問」のセンスがみについてくるかもしれないし。
そこで、我々数学者の時間研究メンバーでも朝から、いろいろ質問を出し合ってみた。
- どっちがおいしいか?
- どっちもおなじオレオなのか?
- 値段が高いのはどっち?
- おなじオレオをつくるには?
- クリームの量はどれくらい?
- かたさは一定なのか?
- 重ね行ったら同じ高さになるのは何枚?
- 重さでも同じになるのは?
- はずして食べるか、どう食べるか?
- 上から見た写真は?もしかしたら後ろ側にはクリームしきつまっていないかも!
などなど
僕は、やはり「重ね行ったら同じ高さになるのは何枚?」こういうのはいいなぁと思ってしまう。ただ質問を出し合うだけだと、問いが散乱する。数学メガネをつけることで、日常の身近なものの中にも数学が隠れていることがわかるといい。
そこで、「日常から算数・数学をみつけよう。写真編」ということで、次回までに、ダンメイヤーさんに習って、おもわず考えたくなってしまうような、問いが吹き出してしまうような数学的な写真を集めてみようと宿題になった。
それをこっそり集めて、どの学年でも授業の導入に数学的問いづくりを楽しむ時間を演出できる「マスマティカルカード」として売り出せば、きっと僕は億万長者になるにちがいない。数学的期待値を鑑みてもきっとそうなるはずだ。だれか一緒に作りたい人はいないだろうか。今だったら、山分けだ。
そういう話はさておき、いよいよ授業では立体の体積や表面積の単元に入る。なにか探究的な学習をつくりたいと考えているがまだスポンと良きアイディアがうまれてきていない。もう少し粘って考えてみようと思う。