先日、ホットクックなるものを買った。材料と調味料を指入れておけば、自動で調理を済ませてくれる無水電気圧力釜だ。
いくつか料理を作ってみた。無水なので、煮込み料理が得意だ。我が家の食卓に一品煮物が追加された。
しかしどれもいまいちピンとこない。
ダイコンと手羽先の煮物を作ったが、味がぼやけているというのか、こだわりの味が感じられない。そうなのだ、こだわりの味が感じられないのだ。ダバダ。
僕はお弁当のカレーをつくり続けて6年目となったが、毎回とても時間がかかる。オリーブオイルにホールスパイスをテンパリングし、地味に飴色タマネギをつくる。ホールトマトもいれるが、油の温度を最大限まで高めてから投入し、トマトの酸味をとばしグルタミンのうまみを引き出す。こんなことをやってできたカレーは格別にうまい。。。とはまだいえないのが残念ではあるが、毎回、同じものをつくっているので、食材やスパイスの違いで味の違いがわかってくる。
ここなのだダバダ。
このホットクックはカレーが作れる。もっと手軽だ。材料とルーをいれておけば、ポンスカポン!とほっておいてもつくれる。だからホットクックなのだ。しかしこれで作ったカレーは、本当に自分のカレーといえるのだろうか。
素材の味を引き出すための手順はたくさんある。カレーは無限だ。もしかしたら、僕がこだわって作ったカレーよりも、ホットクックがポンスカポンしてくれたほうが、手軽でうまいのかもしれない。
とすると、後は食べる人間の問題ではないだろうか。僕は自分でトンテンカンと、つくった方が美味しく感じてしまう。この僕にしか感じることができない味がこだわりでもあり、贅沢なんだと思う。
僕は贅沢者です。こだわってみて自分にしかわからないその面白さとか、その喜びとかその味に嬉しさを感じる。
僕は自分のこだわりを大切にしたいのだ。ホットクックのおかげで、料理を自分の手順でこだわりを持って作ることが好きなのだとわかった。とはいっても、この買い物は決して安いものではなかったが、決して失敗でもなかった。
今、ホットクックは、温泉卵とサラダチキン専用のプロテイン製造機である。これはこれでありがたい。
みなさんは、自分だけにしかわからない贅沢ってなんですか?