北海道・東北地区私学研修会に、算数科講師として招かれた

今年の会場は会津若松ザベリオ学園小学校。算数授業を題材に、「個別最適な学び」と「共同的な学び」をどのように指導するかというテーマでお話しする機会をいただいた。子ども同士のアクティブラーニング、つまり『学び合い』を実践的に理解している指導者として声をかけていただけたことが、何より光栄。

午後は「数学者の時間」をじっくり提案させてもらった。ありがたいことに、昨年度の関東地区私学研修会でも同じようにこの取り組みを紹介する機会をいただいた。異なる地域でも、同じ思いで「数学者の時間」を届けられたことが何よりうれしい。あとは東京都私学研修会にも呼んでもらえたら、東日本の私学を一通り回ったことになるのになぁ(笑)。

研修を通して改めて思ったのは、子どもたちが「考えること」を楽しみ、教師自身も「教えるとは何か」「学ぶとは何か」「今を生きるとは何か」を共に考えていくことの大切さ。理論だけではなく、実践の現場から語ることに意味がある。講師紹介で大学の先生方と並ぶことには少なからず恐縮もあったが、日々の実践を通して得た肌感覚を伝えることこそ、現場教師の役割だなぁと素朴に感じてしまう。

研修前日、4時間かけて会津若松に深夜到着。久しぶりの遠出だったが、上越教育大学の大島教授から「せっかくだから一杯やろう(ともに1977年生まれ!)」と声をかけていただき、会津の日本酒と郷土料理を堪能した。軽くのつもりが、気づけば日本酒の銘柄メニューを一つずつ制覇する流れに。個人的には「会津娘」が絶品だった。大島さんの研究テーマは「教師は教室で何を見ているのか」。教師のまなざしそのものを可視化しようとする研究であり、自分は授業の中で子どもの何を見ているのか、大いに刺激を受けた。

翌日、研修を終えたあと、校長の髙橋(なおたか)さんと夕食をご一緒した。連れて行ってもらったのは、会津名物のソースカツ丼の名店。やはり教育談義に。なおたかさんは現在、授業の第一線から少し離れているが、流動型『学び合い』の提案者であり、子どもたちが自分たちで授業を進める革新的な実践を、授業づくりネットワーク誌で提示してきた一人である(こちらも1977年生まれ!)。

面白いことに、なおたかさんは「授業内容はなんでもいい」と言い切ってしまう。その先に、子どもの何を見ているのか、この問いをもっと深く聴きたいと思った。気づけば、いい年のおじさん二人が喫茶店でコーヒーをすすりながら、閉店まで語り合っていた。その姿は哀愁漂わせていたに違いない。話が尽きないので、次回はLAFTラジオで!ということで、11月にさっそくお呼びすることに。単元内自由進度が流行する今、なおたかさんの実践から学ぶことは多いはずだと確信している。

不思議な偶然だったが、大島さんも、なおたかさんも、そして僕も1977年生まれ。同じ世代として、今まさに教育の真ん中を担う年代になったのだと実感する。同世代で全国に活躍する教師たちの存在に勇気をもらい、まだまだ自分にもできることがあると、しみじみと思えた会津の夜だった。

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